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「ワルドナーと共通項が多い」。岸川聖也さんがモーレゴードの独創的プレーを分析する

卓球界のファンタジスタ、トゥルルス・モーレゴード(スウェーデン)。その独創的卓球を、岸川聖也さん(T.T彩たま監督)が詳細に分析する技術ページ「モーレゴード ザ・ファンタジスタ」を、卓球王国2023年7月号(前号)と最新8月号で、前後編にわたって掲載している。

モーレゴードがTリーグ在籍時(19-20シーズン)に、T.T彩たまでチームメイトであった岸川さんは、的確で冷静な分析をしてくれた。岸川さんがたびたび強調していたのは次の点だ。

「単にトリッキーなプレーをするだけでは、『やりづらい』選手というだけで、世界トップでは勝てないんです。モーレゴードはあらゆる面で基礎技術のレベルが非常に高い。そして常にフォアで決定打を打てるからこそ強い。その上で、他の選手がやらないようなプレーをするので、対戦相手は対策を立てにくいでしょうね。世界のトップ10を維持しているのは納得です。そして、これらの特徴はJ-O.ワルドナー(92年五輪優勝)と共通するものだと思います。バックミートのうまさも含め、僕はかなり似ていると感じますね」(岸川さん)

岸川さんの他にも、前編では上江洲光志選手(スウェーデンリーグで対戦)、後編ではマルテ・モーレゴード氏(トゥルルスの実兄でコーチ)、英田理志選手(スウェーデンリーグでチームメイト)に取材し、モーレゴードについて語ってもらっている。岸川さんを含め、皆がそれぞれの視点で語った内容は興味深いものだが、共通するのは「遊び心」+「基礎技術力の高さ」というキーワードだろう。

8月号では、コーチであり兄であるマルテ・モーレゴード氏に、弟トゥルルスの独創的プレーについて語ってもらった

最新8月号の後編では、ラリーでのプレーを掲載しているが、誌面も限られる中で多彩なプレーを詰め込んで紹介している。モーレゴードのプレーは生や動画で観ればもちろんワクワクさせられるが、岸川さんの的確な分析がついた連続写真では、より深く「ファンタジスタ」ぶりを理解できるはずだ。

なお、期待された世界卓球2023では、モーレゴードはO.アサール(エジプト)に敗れ、前回大会の決勝進出のような快進撃は、残念ながら見られなかった。その敗れた試合についても岸川さんに分析してもらい、いくつかの課題も挙げてもらった。ただ、それでもなお、「モーレゴードが天才的プレーヤーであることに間違いはない。今後が楽しみ」と岸川さん。その思いは、すべての卓球ファンが抱くものだろう。本当に今後が楽しみなプレーヤーだ。

モーレゴードのシュートドライブ。ボールを自在に曲げるプレーもワルドナーと共通する。独自のグリップ(握り)についても解説している

 

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