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日本女子の渡辺武弘監督へ厳しい質問相次ぐ。なぜ3人目は伊藤美誠ではなかったのか

当然、2枠を目指して頑張ってきたことは評価できますが、3番目はパリで一番勝てる選手ということで選びました」

午後の日本卓球協会強化本部の公式会見後の、日本女子の渡辺武弘監督の囲み取材の内容は以下の通り。

渡辺 昨年の国際大会のシングルス、ダブルスの成績、試合ぶりを考え、伊藤選手が上回っていることもあれば張本選手が上回ることもありました。トータルでは若干張本選手が上回った。インパクトがあったのはアジア競技大会で王曼昱選手に対し、負けはしたけれども、非常に良い試合をしたし、12月のWTTファイナルズでも世界チャンピオンの孫穎莎選手に対して勝ちかける試合を見せてくれた。日本は中国に勝つのが大きな目標なので、そういうことを踏まえて、張本美和選手を選出しました。

●ー先程、選考レースはやって良かったと感じてほしいと言われてましたが、その選考ポイントで3番手の伊藤選手を選ばないというのは、決めた選考基準に対して否定するイメージがあります。
渡辺 あくまでも2名までを選考ポイントで選ぶということで、3番目もそれで選ぶとはうたっていません。当然、2枠を目指して頑張ってきたことは評価できますが、3番目はパリで一番勝てる選手ということで選びました。

●ーパリで一番勝てるということと、今の時点で一番勝てる選手、それは同義ですか。現時点で張本選手のほうが伊藤選手よりも勝てるという意味ですか?
渡辺 難しい質問ですね。それはそういうことになりますね。

●ー伊藤選手は最後の最後まで平野選手と争うところまで来たんですけど、張本選手が結果として上回れていたら(選出も)納得できますが・・。
渡辺 伊藤選手は素晴らしい選手だし、日本の宝です。4人を選びたい気持ちですが、最後はひとりだけとなったら、オリンピックでの金メダルを獲るために中国を倒す目標があるので、国内の選考ポイントも大事だけれども・・そこは、はい、自分の信念を信じて、海外で勝てる選手ということで張本選手を選びました。

●ー簡単に言うと、伊藤選手はパフォーマンスを発揮できずに、張本選手のほうが勢いがあったということでしょうか?
渡辺 張本選手が勢いがあるのは、みなさんも感じていると思います。もちろん勢いだけで選ぶつもりはないです。

●ー選ばなかったという理由を本人には説明しているのでしょうか?
渡辺 そこまでは伝えていません。世界選手権の合宿もあるので、そこで本人と話そうと思っています。

●ー補欠(リザーブ)に伊藤選手を選ぶことはありますか?
渡辺 リザーブは5月か6月になるので、選手の状態を見て判断します。伊藤選手もあり得るし、他の選手もあり得ます。

●ー伊藤選手が「団体戦に選ばれてもどうするのか…」と発言しましたが?
渡辺 私は直接聞いていないし、ネットの記事で見たくらいで、それは選考には全く関係ないです。

●ー選考基準にあるとはいえ、従来、3番手はこれまで世界ランキングの3番目、今回であれば選考ポイントの3番目の選手が代表でした。それを覆してまで張本選手に期待するのは、どこにあるのでしょう? 全日本決勝でもああいう負け方を早田選手にしていますが、どこにポテンシャルがあるのでしょうか?
渡辺 ポテンシャルはかなり高いと、見られている方は感じ取っていると思います。15歳であれだけの技術、見たこともない素晴らしい技術を備えていて、伸びしろはすごくあります。前回(東京五輪)も平野選手は高いランキングでしたので、(3番手として)選ばれました。
伊藤選手は(世界ランク)10位ですが、張本選手も16位で、張本選手は十分に世界ランキングも高い選手です。これが(世界ランキングが)100位とか80位となったら異論があると思いますが、国際大会で成績を残しているので、張本選手がパリでは勝てると私が判断しました。

 

全日本選手権で敗れた後の会見の伊藤美誠

 

大勢の記者に囲まれて取材を受ける渡辺武弘監督

 

勝ちはしなかったけど、非常に接戦ができる選手、中国に対抗できる選手はたくさんいないので、私は評価しています

●ー今後の選考のあり方はどうなりますか?
渡辺 もし今後、いろいろ意見があれば、卓球協会として透明性を求めた選考基準を作っていきたいし、いろいろな意見を真摯に受け止めていきたい。

●ー全日本選手権のダブルスは平野選手と張本選手でした。今後の伸びしろはどうでしょうか?
渡辺 今は早田選手が好調なので、平野選手と張本選手のダブルスを強化できるのが理想です。他のペア、たとえば早田選手もダブルスの上手い選手なので、今後、対戦国を考えれば、早田選手のダブルスも含めて、いろいろ組めることが良いと思う。

●ー選考ポイントは2名を決めるためのものだと理解はしているんですけど、選考基準を作った時も選手の伸びしろや国際競争力を踏まえた上での基準だと思いますが、それでも下位の選手を選ぶことに協会として自己矛盾はなかったのですか?
渡辺 3番目は国際競争力とダブルスを組める選手ということなので、矛盾はないと思っています。

●ーさきほど「戦いぶり」とおっしゃいましたが、(張本選手が中国選手に)勝ったわけではない。戦いぶりというのは曖昧な部分ですが、それを選考理由にあげるのはどうなのでしょう?
渡辺 戦いぶりに加えて、内容は重要です。(中国選手に)勝ちはしなかったけど、非常に接戦ができる選手、中国に対抗できる選手はたくさんいないので、私は評価しています。

●ー今回の発表は事前に所属先に伝えているのでしょうか?
渡辺 はい、ある時期に伝えました。

●ー張本選手の戦いぶりを見てきたとおっしゃいましたが、それはWTTで戦っている様子も見てという意味ですか?
渡辺 はい、WTTとアジア選手権、アジア競技ですね。(昨年の)2月くらいから彼女は(WTTの)シニアにも出てくるようになりました。

●ー釜山はパリの3人を中心に戦っていくのでしょうか?
渡辺 それはまだ思案しているところで、そうとは言い切れない。

●ー伊藤選手が張本選手より中国に対して戦えていないと感じる、その試合をあげてもらえますか?
渡辺 張本選手が中国選手とたくさん試合をしてますが(伊藤選手のほうが)苦戦した試合が多かったかなと思います。

●ー選考とは別に、東京五輪であれだけ高いパフォーマンスを発揮した伊藤選手の調子が落ちていった理由のひとつに、選考方法によっての過密スケジュールがあるかもしれない。それは今後、強化本部が反省すべき部分ではないのでしょうか?
渡辺 それは今後、検証だったり反省の部分はあるかもしれない。100%選考のやり方が良かったとは言い切れないし、前半、(選考レースが)過密だという話も聞いていました。パリの次のために現場の意見を反映させていきたい。

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