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「『ありがとう』が伝わるプレーを」。穴水中が多くの支えを受け、中学選抜を笑顔で駆け抜ける!

1月1日に起こった能登半島地震。震災から3ヶ月経った今も、多くの人が避難生活を余儀なくされている。先が見えない不安のある中、県内外の人たちが互いに支え合い、少しずつ復興へと向かっている。

3月23〜24日に群馬・高崎アリーナで行われた第25回全国中学選抜卓球大会。各都道府県の代表校がしのぎを削る中、どの学校にも負けないほどの元気と笑顔でプレーしたのが石川県女子代表の穴水中だ。

石川県の能登半島中央に位置する穴水町。町の南部は七尾北湾、東部は富山湾に面しており、新鮮な海の幸が名産物。その上、綺麗な星空を眺めることができることから「星の町」にも選出されるなど、自然が豊かで穏やかな町として知られている。

そんな穴水町の中心に位置するのが、町唯一の中学校である穴水町立穴水中学校。穴水中の女子卓球部は昨年末に行われた石川県中学選抜卓球大会で見事優勝し、中学選抜への切符を掴み取った。

全国大会の出場を決め、「全国で1勝しよう」という目標を立てた矢先、最大震度7の能登半島地震が起こる。

震災で学校自体が被害を受けたとともに、学校が避難場所になっているためチームの練習が思うようにできない状態になったが、少しでも練習ができるように、地元新聞社にお願いして新聞に連絡先を掲載したという。

「遊学館高校さんをはじめ、北陸大学さんや金沢学院高校さん、川北クラブさんやかほくジュニアさん、とりやクラブさんなどいろんなところから声をかけてもらって練習させていただいたので、学びも多かったしありがたかったですね」。そう語るのは穴水中の高柳晶帆監督だ。

「練習が思うようにできない中で、とにかく指導者も保護者も子どもたちに対して『楽しもう』と声をかけていました。出れるだけでありがたいですし、せっかく出るなら勝てなくてもいいから『ありがとう』が伝わるプレーをしようということを言っていました」(高柳監督)

北陸大での練習の様子。北陸大卓球部が練習相手となった(写真提供:VICTAS)

川北クラブでの練習の様子(写真提供:VICTAS)

 

多くの支えを受けて迎えた中学選抜。予選第1試合は熊本代表の合志中と対戦。1番でキャプテンの瀧川さゆき、2番で沢田音が勝利するも、3、4番が敗れて勝負の行方は5番に。5番の前田華歩は冷静なプレーで河上のカットを攻略すると、2ゲーム目は18-16で制するなど勝負強さを見せて勝利。穴水中は見事目標であった全国1勝をつかみ取った。

バックでのミート打ちと強烈なフォアスマッシュを武器に先制点をあげた瀧川

2番で勝利した沢田。丁寧なバックハンドが光った

5番の前田が冷静なプレーで勝利し、見事全国1勝をあげた

試合後、合志中からメッセージが書かれた色紙が渡された

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