予選第2試合は武蔵野中(東京)にストレートで敗れ、2位トーナメントへ。2位トーナメント1回戦の末武中(山口)との試合では、1、2番が敗れ、3番の田中琉衣/中瀬衣音もゲームカウント1-2と窮地に立たされる。しかし、どんなに苦しい状況でも笑顔でプレーを続けた田中/中瀬が4ゲーム目をジュースで奪うと、その勢いのまま5ゲーム目を取り切り逆転で勝利。後半へ望みをつなげた。
「ダブルスはゾーンに入ると笑顔で試合をするんです。練習の時は強張っていたけど、みんなが励ましてくれたから笑顔になれたんだと思います」(高柳監督)
4番の沢田が勝利し、予選第1試合と同じく5番までもつれる大接戦に。すでにこの日の他の試合は全て終了しており、残すはこの1試合のみとなっていた。
5番を任されたのは、試合出場メンバーの中で唯一の1年生である竹端りこ。ベンチや観客席の応援を背に、ゲームカウント2-1とリード。惜しくもそこから逆転負けを喫したが、最後まで懸命に戦った。試合後は悔しさから涙を浮かべる部員もいながら、記念撮影では全員が笑顔で、充実の表情を見せた。
「全国大会に対して不安を持っていた子どもたちでしたが、私たちの想像を超えていつも以上の力を発揮してくれたので、200点満点ですね。
震災前は1勝しようという話をしていましたが、震災後は出れるかどうか分からない状況になってしまった。そんな中で今回1勝できて、トーナメントでも5番まで行ったので、本当に頑張ったと思います」(高柳監督)
指導者、保護者、そして石川県内の卓球関係者の支えを受けて中学選抜の舞台に立った穴水中。彼女たちがコートで見せたのは、震災の悲しみや満足に練習ができなかったことへの悔しさではなく、支えてくれた人への『ありがとう』が伝わるような笑顔で元気いっぱいのプレーだった。
1日でも早く日常を取り戻すこと、そして夏の全国大会で再び彼女たちの元気の姿が見れることを願っています。
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