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インタビュー

密かにアツい徳島の卓球。陰で支える笑顔あり

ーぼくはこの数年で、もう鳴門に3回取材に来ています。Tリーグも開催しましたし、どうして徳島はこんなに大会誘致に熱心なんですか?
藤浦 そう言ってもらえるのはありがたいんですけど、実際に誘致に熱心かと言われると……(笑)。徳島は運営できる人数も少ないし、全国大会ができる規模の体育館もここ(鳴門・アミノバリューホール)しかない。だから全国ラージとか全日本マスターズを開催するのはちょっとむずかしいので、やれそうな大会に目星をつけて、先に手を挙げてしまうんですよ(笑)。そして大会が開催できたのは、現・理事長の榎並正人(当時・事務局長)が仕事を全部やってくれたからなんです。

−それも実情ですね。でも会場のスタッフの皆さん、特にレディースの方々が明るくて元気ですよね。
藤浦 そうなんですよ。「なんでこない協力してくれるかな」と、不思議なくらいやってくれますよ。全国大会も「しんどい、しんどい」と言いながら、皆さん進んでやってくれるから助かっています。さすがに3年連続くらいで全国大会をやった時はひんしゅくを買いましたけど(笑)。

徳島県内で、主な全国大会の開催会場となる鳴門市のアミノバリューホール(写真は23年全日本カデット)

−ここアミノバリューホールでは、Tリーグも開催していますね。
藤浦 Tリーグは2回やりました。Tリーグに関しては私たちはお手伝いで、誘致したのは鳴門市です。「スポーツを通じた地域活性化」を掲げるスポーツ課ができましたから。トップ選手が来てくれたら、やっぱり地元の若い子たちにとっては良い勉強になるし、それはありがたいことですよね。

ー大会の誘致が、若手の強化に繋がっている部分はありますか?
藤浦 徳島で強くなった子はほとんど外に出ていってしまうというジレンマはありますね。徳島には私立の高校は3つくらいしかなくて、卓球部の強化と勉強を両立させるのは、公立校では難しい部分もあります。それでも、国体で徳島に帰ってきてくれればいいかな、という感じですね。

ありがたいことに、徳島は小学生の指導者が熱心で、子どもたちを情熱を持って教えてくれる方が多い。その点は本当に感謝しています。

中学から県外に進学する例が多いものの、好選手を多く輩出する徳島県。写真は徳島県出身で、藤浦の大学の後輩でもある大川真実

ー他に理事長として取り組まれたことは?
藤浦 ラージボールの大会で『阿波おどりカップ』というのを作りました。もう11年くらいやっていますね。徳島市体育振興公社とのコラボで、何かできないかという話が出まして、全国規模のオープンの大会がないので、ラージで作ってくれませんかという話になった。

毎年9月末から10月上旬の開催で、会場は徳島市立体育館。昨年も北海道から沖縄まで、500人くらい参加していただきました。さつま芋の鳴門金時とか蓮根(れんこん)とか、徳島県の特産品が賞品として出るので、優勝する方はわんさか持って帰りますね。

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