男女準々決勝が終了し(女子1試合は本日開催)、いよいよ最終日を迎えたインカレ。その中で昨日、インカレで数々の名勝負を演じ、幾度も頂点に立った淑徳大がひとつの時代の幕を閉じた。
インカレでは5連覇を含む通算11度の優勝を誇る淑徳大。関東学生リーグでも19度の優勝を数え、高橋美貴江、藤井寛子、山梨有理、石垣優香、松澤茉里奈という世界選手権代表を輩出した名門だ。その淑徳大だが、卓球部強化の休止が決定しており、現在の部員数は4名。インカレ出場の最少人数は満たしているが、関東学生リーグの出場人数は満たしておらず、秋季リーグは出場を見送る方針。今回のインカレがこれまでの形の卓球部で臨む最後の団体戦となった。
予選リーグを2位で通過した淑徳大は決勝トーナメント1回戦で日本体育大と対戦。1番でエースの田中咲子が勝利をあげたが1-3で敗れ、華々しい栄光を積み重ねてきたインカレでの最後の戦いを終えた。
監督としてベンチに入ったのはOGであり、自身も選手として3度のインカレ優勝を経験した石垣優香。強化の休止が決まった3年前から監督として母校と後輩を見守ってきた。
「もう1回勝ちたかったというのが本音ですけど、そこは勝負なのでしょうがないかなと。選手には淑徳として戦う最後の団体戦だけど、思い切って試合をやってほしいと話しました。自分が納得できたら良いというか、悔いの残らないような試合ができたのならそれで良い。それぞれ反省はあると思いますが、私から見て、選手は最後までやり切ってくれました。
これまで、たくさんの監督、コーチ、先輩、後輩が残してきてくれた歴史というのはすごく大きくて重いものだと思います。その中で最後の監督をやらせていただいたことは光栄なことですし、私が監督になってからも先輩、後輩が練習に来てくれたり、応援してもらって、そうした中で私も成長させてもらいました。
私自身、インカレは大学生活で一番印象に残っている大会ですし、うれしい思い出、悔しい思い出、いろいろあります。優勝しないといけないプレッシャーもあったし、大学の試合が一番緊張していたかもしれませんね。でも、今となってはそれが楽しかったなとも思います。そのインカレに監督として立ち会えたことは感慨深かったです」
敗れてもなお、最後まで凛とした強さを貫いた淑徳大。ひとつの時代は終わっても、強く、凛々しき名門の姿は記録と記憶に燦然と残り続ける。
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