別にTリーグと日本リーグが争っているわけではない。
日本リーグでプレーする選手がTリーグに出場することもあるし、その逆もある。
皮肉を込めて言えば、日本の卓球界は「なんでもあり」なのだ。
Tリーグはなかなかチーム数が増えず、合体を望む声の多い日本リーグ側も、Tリーグの財務状況に対して懸念を抱いている。
日本リーグ側がTリーグとの統合に慎重な理由は、そこにあるのだろう。
現在のTリーグは、企業を母体とするチームと市民クラブが混在している。
これは2018年にリーグが創設された当初からの構造である。
ヨーロッパのようなクラブチーム主体のリーグにはならず、サッカーのJリーグやバスケットボールのBリーグのような地域密着型のリーグにもなりきれていない。
一方で、日本卓球協会のもとには、日本リーグや学生リーグ、地域リーグ(東卓リーグや愛知県社会人リーグなど)が存在している。
つまり、日本の卓球界には、小さなピラミッドがいくつも併存している状態なのだ。
そして、協会の理事たちも、それぞれが歴史あるリーグを背景にしており、この“分断された構造”に対して違和感を持っていないように見える。
では、大局的な視点を持つ人はどこにいるのだろうか。
日本の卓球界を、ヨーロッパのようにすべてクラブスポーツで統一するのは難しい。
だが、プロリーグ、実業団リーグ、学生リーグなど、多様なカテゴリーを大きなピラミッドの中に包括することはできるはずだ。
それこそが「スーパーリーグ構想」なのである。
ヨーロッパとは違う、日本ならではの多様性を生かした“統合のかたち”とは何か。
それを今、真剣に考えるときが来ている。 (今野)
*写真は市民球団、T.T彩たまの応援団
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