卓球王国 2025年5月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
世界卓球2025

立ちはだかった王曼昱の壁。張本美和、ストレートで敗れてシングルスは8強

●女子シングルス準々決勝
王曼昱(中国) 5、8、9、5 張本美和

4月の女子ワールドカップで、ゲームオールジュース(10ー12)という激闘の末に惜敗した王曼昱とのリベンジマッチを迎えた張本美和。前々回の世界女王に全力で挑むも、ゲームを奪うことはできず、ストレートで敗れた。女子シングルス準々決勝の「日本対中国・4番勝負」は日本の1勝(伊藤)、中国の3勝(陳幸同・孫穎莎・王曼昱)という結果となった。

「全体的に言うと、すべての技術で勝てるものがなかったなというのが今日の印象です」。試合後にミックスゾーンでそう語った張本。今大会、現・世界女王の孫穎莎がやや調整不足の感がある中、好調なプレーが目立った王曼昱。今大会はドローが4月30日に終わり、実際の試合まで3週間以上も時間があったため、「張本美和対策」に相当な時間を割いてきたのだろう。フォア前へのサービスに対する張本のチキータを狙われ、バック対バックでも確実に主導権を握られ、攻略の糸口を見出せないまま試合が進んだ。

安定感抜群のバック対バックで、なかなか優位に立てなかった張本美和

ミックスゾーンでは涙を見せながらも、しっかりと自分の言葉で語った

「前回の(ワールドカップでの)対戦では自分のサービスからは五分五分くらいだったけど、レシーブからあまりラリーが続かなかったり、3球目で終わってしまうことが多かったので、そこは練習してきた。ただ、前回は効いていたところが、相手も準備をしてきているので効かなかったり、逆に前回の対戦でこちらが良くなかった部分を補い切れていなかった。打開策や解決策があまり見つからなかった」(張本美和)

王曼昱の締めつけるような両ハンドは、速く厳しかった

「経験や試合運びの安定性がまだまだなので、これからも練習をして、試合をしての繰り返しなのかなと思います」と語った張本。最後は悔しい試合内容だったが、初出場の世界卓球で、16歳にして危なげなくベスト8進出。その実力は完全に世界のトップ10圏内にある。デビュー戦としてのインパクトは、かつての孫穎莎や王曼昱と比べても遜色ない。まずは明日の女子ダブルス準決勝、木原美悠とのペアで王曼昱/蒯曼ペアにリベンジだ。

勝利の瞬間、王曼昱はベンチの馬琳監督を振り返り、小さくガッツポーズ

 

関連する記事