●男子シングルス準決勝
カルデラノ(ブラジル) 13、7、ー8、8、ー3、ー7、9 梁靖崑(中国)
ワールドカップチャンピオンのカルデラノ、梁靖崑をゲームオール11ー9で破ってついに決勝進出!
かつては台上プレーでは、威力あるチキータを武器としていたカルデラノ。当たればめっぽう強いが、負けるときは淡白という印象があった。しかし、今では非常に打球点の早いツッツキやストップ、独特の横回転を入れるフォアフリックなどを自在に操り、打球点を落とさずに両ハンドを振り抜く。守備の堅さでは世界トップクラスの梁靖崑が、試合の序盤はまともにブロックできなかったほどだ。
カルデラノの前陣バックドライブは、ここまで打球点が早い
ゲームカウント3ー1とリードした後、やや勝利を意識したか、梁靖崑に最終ゲームまで持ち込まれたカルデラノ。気合いを入れ直し、中盤で一気に突き放して10ー3でマッチポイントを握るも、ここから1点が遠い。勝利を意識し、イージーなミスが続いたカルデラノ、10ー10に追いつかれたら試合の行方はわからなかったが、10ー9で勇気を振り絞り、バックハンドを振り抜いて得点。その場に倒れ込んだ。
勝利の瞬間、その場に倒れ込み、咆哮(ほうこう)したカルデラノ
中国応援団の大声援をバックに戦った梁靖崑だが、またも準決勝で敗れる
他の選手とは違う景色が見えているのではないか。そう思わせるほどのカルデラノの強さ。明日の男子シングルス決勝は王楚欽との対戦だが、もし優勝すれば中国勢以外では2003年パリ大会のシュラガー(オーストリア)以来となるタイトル。南米からの世界チャンピオン誕生は初の快挙だ。パリ五輪の男子シングルス準決勝・3位決定戦で連敗したショックを払拭し、さらにたくましさを増した「知的なビースト(野獣)」が、中国の壁を完全に打ち崩すのか?
ミックスゾーンでも興奮冷めやらぬ、という感じだったカルデラノ。今大会の強さは本物だ
●女子シングルス準決勝
王曼昱(中国) 8、8、2、8 陳幸同(中国)
中国勢対決となった女子シングルス準決勝の王曼昱対陳幸同戦は、接戦が予想されたが、ストレートで王曼昱が勝利。中国女子が全体的にやや調整不足の感もある中で、王曼昱はひとり強烈な回転量の両ハンドドライブを連発し、異次元の強さを見せている。明日の女子シングルス決勝、孫穎莎との宿命のライバル対決の結果やいかに?
長いリーチをムチのようにしならせ、強烈なパワードライブを連発する王曼昱
4ゲーム目の10-8のマッチポイントでも、フォアストレートに打ち抜いた
陳幸同は力でねじ伏せられた感があった
ツイート