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世界卓球2025

篠塚大登/戸上隼輔が男子ダブルスで優勝!日本に同種目64年ぶりの金メダルをもたらす

●男子ダブルス決勝
篠塚大登/戸上隼輔 -6、5、-7、6、6 高承睿/林昀儒(チャイニーズタイペイ)

長く開かなかった歴史の扉を、2人の若武者がこじ開けた。世界選手権の男子ダブルスでの日本勢の優勝は、1961年の北京大会、星野展弥/木村興治にまでさかのぼる。実に64年ぶりの快挙だった。

1ゲーム目、日本ペアは出足良く5-2までリードするが、そこから戸上の2本連続レシーブミスなどで5-5と追いつかれる。その後、6-7からは林昀儒が放ったバックハンドドライブに篠塚が飛びついた際、篠塚のラケットが戸上の右手を打つアクシデントもあり、ミスが続いた日本ペアはこのゲームを6-11で落とした。

2ゲーム目、息を吹き返した戸上がのびのびとしたプレーを見せ、4-0から10-2とタイペイペアを圧倒する。最後は少し反撃を受けたものの、このゲームを11-5で取り返してゲームカウントは1-1のタイとなった。

3ゲーム目は中盤から相手の高承睿がファインプレーを連発。日本ペアは3-3から徐々に離され、4-10となる。ここから大きなラリー戦を連続で制すなどして7-10まで挽回した日本ペアに対し、タイペイペアはタイムアウトを要求。次のラリーで林昀儒のスーパーカウンターが決まり、7-11でこのゲームはタイペイペアが取った。

あとがなくなった日本ペアは第4ゲーム、2-2から戸上のカウンターが外れたところで早めのタイムアウトを取る。そこからは一進一退の攻防が続いたが、6-6から篠塚が林昀儒に対してロングサービスを2本続け、戸上のカウンターとサービスエースで2本を連取。これで流れを引き寄せた日本ペアが11-6でこのゲームを取り、勝負の行方は最終ゲームに委ねられた。

最終第5ゲーム、0-1から高承睿のあまくなったサービスを戸上がフォアハンドでレシーブ強打し、流れをつかむ。一気に3-1と逆転し、6-3までリードを広げた。タイペイペアも林昀儒のレシーブ一発ドライブなどで6-5まで追い上げたが、そこから戸上のバックハンドが冴え、10-5まで4本連取。最後は林昀儒のフォア前フリックがミスとなり、日本ペアが11-6で勝負を決めた。

パリ五輪前から同大会の団体戦を見据えてペアを組み始めた篠塚大登と戸上隼輔。五輪ではその団体で銅メダルを逃し悔しい思いをしたが、このドーハの地で見事なリベンジを成し遂げた。

以下は2人のオンコートインタビューでのコメント。

「64年ぶりの世界一ということで、本当にうれしい。みんなに支えられてきたので、恩返しできてよかったです」(戸上)

「大会前に2人で金メダルを取ると宣言していたけど、本当に取れるとは思っていなかったので、信じられない気持ちです」(篠塚)

ラリーでタイペイペアを上回るシーンが多かった篠塚(左)/戸上。会心の勝利だった

高承睿(右)/林昀儒は今大会、中国ペアを2つ倒しながら金メダルを逃した

勝利の瞬間。篠塚(右)は天を仰ぎ、戸上は膝をついて喜びをかみしめた

ベンチに入った森薗政崇コーチ(中央)と一緒に勝利の雄叫びを上げた篠塚(左)/戸上

1961年の世界選手権北京大会で優勝した星野展弥(右)/木村興治。篠塚/戸上はこの時以来64年ぶりの優勝となった

メダルセレモニーで優勝カップを受け取った篠塚(左)/戸上。大会最終日に最高の結果を勝ち取った

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