●男子シングルス準決勝
王楚欽(中国) -5、8、2、10、10 モーレゴード(スウェーデン)
中国男子史上、初の左利きの世界チャンピオンを目指す王楚欽が、スウェーデンのトリックスター・モーレゴードを下して決勝に進出した。
1ゲーム目、モーレゴードは王楚欽のフォア前にストップを集める作戦が功を奏し、試合を優位に進める。台上プレーからの速攻、バックハンドのフラットカウンター、打点の早いフォアハンドのライジングドライブなどで得点を重ね、最後はロングサービスからの鮮やかな3球目攻撃で11-5と先制に成功した。
2ゲーム目、モーレゴードはいきなり最初の2本でロングサービスを連発し、王楚欽をさらに揺さぶりにかかる。しかし、中盤でモーレゴードが試みたロビングからの派手な逆襲を封じた王楚欽は9-5とリードを広げ、その後も華麗な逆モーションドライブなどで得点を重ねていき、終盤のモーレゴードのトリッキーな反撃も振り切って11-8でこのゲームを取り返した。
3ゲーム目は0-0からの優位なラリーでロビング打ちをミスしたモーレゴードが一気に流れを失う。王楚欽は6-0まで連続得点し、その後も攻撃の手を緩めず11-2と圧倒して2-1とゲームを先行した。
4ゲーム目は5-2とリードしたモーレゴードが6-7と逆転されたところでタイムアウト。8-8とした終盤には逆モーションの3球目フォアハンドドライブ、ロングサービスから3球目のバックハンドカウンターブロックで10-8とゲームポイントを握ったが、王楚欽はラリー戦での粘りと台上バックハンドドライブでしぶとく追いつき10-10。さらにそこからモーレゴードの得意技であるサイドスピンブロックを2本連続で打ち砕き、12-10の逆転でこのゲームを奪った。
第5ゲームは激しいラリーの応酬となったが、そのほとんどを王楚欽が制して8-4までリードを広げる。8-6となったところで王楚欽はタイムアウトを取り、10-6とマッチポイントを迎えたが、モーレゴードがここから猛反撃。フォアハンドドライブの高速連打、サービスエース、サイドスピンブロックなどで10-10に追いつき、会場を大いに沸かせた。しかし王楚欽は次のプレーでネットインを拾ってからの粘りを見せ、それに対してモーレゴードがドライブをミス。最後はモーレゴードの3球目バックハンドがオーバーとなり、12-10で王楚欽が逃げ切った。
前回の2023年ダーバン大会に続く決勝進出となった王楚欽。その時は樊振東との打撃戦に敗れて苦杯をなめたが、いよいよ王座獲得の時が近づいてきたかもしれない。
終盤のラリー戦をほとんど自らの得点で終わらせた王楚欽。モーレゴードのテクニックとアイデアをパワーで打ち砕いた
4ゲーム目、5ゲーム目のジュースを取り切れなかったモーレゴードだが、その多彩かつ奇抜な技術戦術で観衆を魅了した
試合終了後、互いの健闘を称え合った王楚欽とモーレゴード。スポーツマンシップが感じられる良いシーンだった
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