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世界卓球2025

女子ダブルス準決勝、張本美和/木原美悠組は中国の王曼昱/蒯曼に完敗。銅メダルが確定

●女子ダブルス準決勝
張本美和/木原美悠 -8、-6、-5 王曼昱/蒯曼(中国)

準々決勝まで1ゲームも落とさない破竹の快進撃を見せていた張本/木原ペアだったが、中国の壁は破れなかった。

1ゲーム目、立ち上がりから2人のコンビネーションの良い連続攻撃などで5-1までリードした張本/木原だったが、中盤で徐々に差を詰められ、6-3からは6本連取を許して6-9と逆転される。7-10からは張本の回り込みドライブで8-10と巻き返したが、最後は蒯曼の回転量の多いフォアハンドドライブに張本のバックハンドブロックがオーバーしてこのゲームを8-11と落とした。

2ゲーム目は3-3まで互角だったが、中盤にミスが相次いでリードを許すと、終盤までその差を詰められず。途中、張本・木原ともサービスエースを取るシーンなどはあったが、要所で相手の連続強打が決まるなど流れをつかめず、6-11でこのゲームも失った。

あとがなくなった日本ペアは第3ゲーム、出足で張本のカウンターが決まるなどして3-1とリードしたが、次の1本で木原がレシーブミスして2-3。ここで、流れの悪さを断ち切ろうと日本ベンチはタイムアウトを取ったが、タイムアウト明けのプレーで張本、木原の連続攻撃が跳ね返され3-3に。その後は4-4から蒯曼がレシーブストップ、レシーブドライブ、フォアハンドドライブで3連続エースを取って流れを一気に持っていき、王曼昱もそれに続いてバックハンドカウンター、サイドを切るフォアハンドドライブでさらに2本を連取。次の1本では木原が台上バックハンドアタックで反撃したが、そこで中国ベンチは盤石のタイムアウト。その次の2本で木原のブロックとレシーブフリックが連続ミスとなり、5-11でゲームセットとなった。

以下、両選手の試合後のコメント。

「1ゲーム目、リードしていたのを取り切れなかったので、(それが敗因として)大きかったなと思います。やっぱりダブルスは一発のボールが必要というより、どれだけ次のパートナーに良いボールが出せるように打つのかっていう競技で、改めてその難しさと面白さを感じた試合でした。自分の一番良いボールを相手が出させてくれないのもありますし、練習で入っても試合で入らないということが現状ではまだあるので、もっと精度を上げられるようにまた練習したいなと思います(張本)

「中国人選手と対戦する時は1ゲーム目が本当に大事だと思うので、そこで取り切れなかったことは悔しいし、まだ実力が足りないなという感じです。自分としては(世界選手権)個人戦2回目の出場で、1回目も長崎選手と組んで銅メダル。で、今大会はそれ以上を目指していたんですけど、やっぱり銅メダルという同じ成績で、それ以上に行けなかった悔しさはあります」(木原)

若さと勢いという魅力を十分に見せながら、中国卓球の老獪さにはまだ一歩及ばなかった張本/木原。悔しさと課題は残ったが、銅メダルは十分に誇れる結果だ。胸を張って日本に帰ってきてほしい。

動きが重なる右利き同士のペアの泣きどころを攻められ、苦しいプレーが続いた張本(奥)/木原

華々しいプレーは多くなかったが、相手のミスを誘いながら要所で攻めにかかる老獪さを見せた王曼昱(右)/蒯曼

Tリーグの木下アビエル神奈川時代から2人をよく知るベンチの中澤鋭監督(左)の存在は、張本と木原にとって心強かったはずだ

「どんどん自分たちが強くなって、良いペアリングになっている実感があった」と記者会見で張本(右)は語った

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