卓球王国 2024年11月21日 発売
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そこには卓球愛と会社愛があふれていた。手作りの、体温を感じたシチズン時計のホームマッチ

 

当日は最高時で400人近くの観客が訪れた。仕事を終えたシチズン時計の社員が次々に足を運び、地元西東京市からは大人だけではなく、シチズン時計卓球部が定期的に指導に行っている公立中学の卓球部員も大勢訪れていた。また、近県からも卓球ファンがかけつけて、両チームの白熱した戦いに声援をおくり、思う存分に沸いた。敵味方なく、会場が一体になってトップ選手のプレーを楽しみ、スーパープレーに酔いしれていた。

 

トップで篠塚に勝った三部

 

怪我からの復帰戦となった篠塚

 

3番で勝利した横谷(左)と谷垣のダブルス

 

ラストで横谷との激戦に勝ち、両手を上げる浅津。感動的なラストシーン

 

久しぶりのホームマッチでチームを率いたシチズン時計の御内健太郎監督にも話を聞いた。

「ホームマッチは、年に2回だけ会社の社員の方に日頃から応援していただいている卓球部の試合を見ていただけて、また地域の方々にもプレーを見ていただける大切な場です。

卓球部の役割として社員の士気高揚や地域貢献を掲げていて、西東京市内には中学校卓球部が6校ありますが、卓球部として各中学の卓球部に年に2度お邪魔して部活の手伝いをさせてもらっています。コロナ禍ではオンラインでの卓球指導になってしまいましたが、これからまた学校に行って練習を見たいですね。今日のホームマッチでも地元中学の卓球部が大勢来てくれて、部員がボールパーソンをしてくれています。

 セントラル方式の大会では社員や地元の方は遠くてなかなか観に行くことはできませんが、ホームマッチならば選手が頑張っている姿を見てもらうことができます。今日の試合はラストまで行きましたが、最後まで諦めずに戦って勝つ姿を見せることができて、うれしいですね。

 コロナ前のホームマッチでは450名くらいの方が詰めかけてくれましたが、今回は久しぶりの開催ということもあり、300名くらいを目処に告知しました。これからは以前のように広く告知していけたらと思います。

 今回はこうして卓球王国さんにうちのホームマッチを取り上げていただきましたが、対戦チームの愛知工業大さんも学生たちで準備して、いろいろと工夫して6月はじめにホームマッチを行っています。男子も女子も日本リーグのホームマッチではそれぞれが特色を出して試合を作り上げています。会場に足を運べない方には配信も行っていますので、これからも日本リーグを応援していただき、盛り上げていただければと思います」(御内)

 

地元西東京市の中学生がたくさん訪れた

 

ボールパーソンは、西東京市の公立中学校卓球部員が行った

 

18時になると中学生は帰宅のため、ボールパーソンはシチズン時計OBが務めた。写真は久保田

 

時間帯によって立ち見が出るほど大勢の人が会場に足を運んだ

 

大学生チームとして日本リーグに参戦している愛知工業大の森本耕平監督は、日本リーグとホームマッチについて次のように話す。

参戦している理由は大きく2つあります。ひとつは強化という部分。もうひとつは就職活動的な部分です。日本リーグで試合をさせていただく中で、うちの学生たちのプレーやコート外での言動を目にする機会が増えるので、卒業後に卓球部のある企業にお世話になる時に事前にしっかりとその人物のことを見てもらうことができると思っています。

ホームマッチについては、うちは男子だけではなくて、女子の卓球部員も手伝って準備して、当日も運営しています。ポスターなどは卓球部ではなくて、一般の学生が協力して作ってくれています。

 校内でホームマッチを行うことで、普段はなかなか卓球部の試合を生で見ることがない一般の学生や大学関係者に見に来てもらえることはうれしいですね。完全な手作りの試合になりますが、出場する選手も含めて、部員たちは楽しい、楽しいと言って取り組んでくれています」(森本)

 

勝利後にシチズン時計の社員、役員(2階席)と写真に収まる卓球部

 

今回、シチズン時計のホームマッチを訪ねてわかったことは、ここには卓球愛と会社愛があふれていて、体温を感じる空間であったことだ。設営や運営のプロから見れば完璧ではないのかもしれない。でも、ここには手作りの温かい想いがあふれていた。

少し気が早いかもしれないが、後期リーグでは別のチームのホームマッチにも行ってみたい。

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