プロ選手、監督業、Tリーグチーム運営、公認コーチ、そして会社社長。森薗政崇の仕事欲と、卓球への熱意が止まらない。
2017〜2018年にドイツのブンデスリーガ1部リーグで最多勝選手となったが、迷わずに2018年Tリーグに参戦し、岡山リベッツの顔として活躍してきた森薗選手。そして静岡ジェード創設に動き、スポンサー集めにも奔走しながら、選手としての成績もしっかりと出している。
そんな森薗選手のインタビューが最新号(9月21日発売)に掲載されている。
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●-森薗君は球団の経営的な面にも関わっていますね。
森薗 自分の会社(FPC)を経営していく経験はあったとしても、チーム運営は初めてなので手探りの状態だったが、失敗しながら覚えていく。やってみて、失敗して、そして改善していくプロセスは卓球と同じですね。失敗するのは恥ずかしいことではなく、何度も失敗を繰り返すことのほうが恥ずかしい。
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静岡をスタートさせて感じるのはTリーグへの参入ハードルがかなり高いので、熱意があってもできない人はたくさんいるんだろうなと。でも誰かがやらなきゃいけない。新しく1チームできれば、日本選手の6人程度にはチャンスが生まれて、他チームで出場する機会のなかった人たちが舞台に立てる。そのチャンスを作りたかった。
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ぼくはビビリなので石橋を叩きまくってからじゃないと始められない。細かい負けはいいけど、大きな負けは嫌なので。
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●-8月に6試合終えてわかったことは何でしょう?
森薗 準備ではわからなかったことがすごく見えましたね。運営でもっとも重要なのは体育館選びなんです。実際にTリーグの試合を開催するのは結構お金がかかる。
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規模で言っても、T(リーグ)のほうがブンデスよりは1シーズン目から大きいんですよ。観客動員もTのほうが多い。でも、手軽感や手作り感がブンデスにはある。たとえば土日の2時からの試合がTにはあるけど、土日の2時だと1日を使うじゃないですか。平日の夜、金曜の夜にビール片手に卓球の試合を見る手軽さがほしい。
派手な演出をすればするほど恩着せがましくなって、「楽しませなきゃ」、お客さんも「楽しまなきゃ」となる。それもいいけど、狭いところでもいいから手軽に選手のプレーを見せたい。
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●-参入ハードルがもっと低くなれば、チーム数も増えていく。Tリーグの将来のビジョンについてリーグ側から発信されない。
森薗 Tリーグはすごく良いコンテンツです。クオリティーは非常に高いし、それが生かされないのは卓球界としてもったいない。一方で今のやり方では地域のチームは摩耗します。金沢も静岡も地方でスタートして頑張っているけど、そういう気持ちが摩耗するのが怖い。
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<卓球王国最新号より一部抜粋>
森薗政崇からはあふれるような卓球愛を感じる。彼のような卓球人が今後、Tリーグや日本卓球協会で力を発揮してほしいと強く思うようなインタビューだった。
最新号11月号、発売中!
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