−子どもたちの指導を始めたはいつくらいからですか?
小原 27歳の時に「小原JUPIC(ジュピック)」という子どものチームを立ち上げました。JUPICは「ジュニア・ピンポン・クラブ」を略した名称です。松本に戻ってきたので、地元で卓球を教えたいということでスタートしました。私の選手時代がそうだったように、「卓球を楽しむ」「卓球を好きになる」ということをモットーに始めたんです。40年前のことですから、当時は長野県内には子どものクラブチームは4、5チームくらいでしたね。
小・中学生を教えたので最初に習いに来ていた子どもたちは今はもう40~50歳になっていて、彼らの子どもたちもJUPICに来ていました。その子たちも今は大学生や社会人になっているので、そう遠くない時期に孫が習いに来るようになるでしょうか。
−親子2代から3代目になるということですね。とても歴史を感じます。
小原 私は「継続は力なり」という言葉が好きでしてね。来年でチーム創立40年になりますが、これからもずっと続けていきたい。社会人として仕事をしていた時は、仕事後の夜から練習をしていて、ほとんど休みなしでやっていました。
2000年5月から卓球台を17置ける広さのファン卓球センターを作り、そこで練習しています。毎週金曜日に部内リーグをやっていて、A、B、C、D、E、F、G、H、Iとクラス分けで試合をして、今は800回を越えました。第1回から現在まですべて成績表を取っていて、部内リーグで優勝したらお菓子をもらえるという成功報酬をつけています。そうして子どもたちはスモールサクセスを積み重ねていきます。
−部内リーグ800回はすごいですね! 創立当初のお話をもう少し聞かせていただけますか。
小原 最初は柔剣道場を間借りしたり、県内の体育館を週に1回借りていましたが、親戚が営んでいた大津屋金物店の古い倉庫が空いたので、そこに4台を置いて大津屋卓球会館という形で練習場にしました。しばらく使っていましたが、床がぼろぼろになって抜けてしまって。それからは学校などの施設を利用していましたが、いろいろと制約があったので、松商学園高卓球部監督をされていた中野和茂先生のお兄さんの持ち物だった大きな店舗をお借りして、ファン卓球センターを作り、そこで練習するようになりました。先にも話しましたが2005年5月からです。
ファン卓球センターという名称は、英語で「fun(ファン)」は「戯れる」や「楽しむ」という意味があるので、私のモットーにぴったりだということで名付けました。卓球センターがができて22年が経過しているので、修繕費など維持費が結構かかりますね。
−子どもたちの会費は月額3000円と聞きました。
小原 2007年から2000円、2012年から2500円、2020年から3000円としました。365日24時間いつでも17台の卓球台を使用できるので、週に何回来てもいいんです。
−現在クラブの子どもは何人になりますか?
小原 一番多い時で子どもが80人くらいいて、父兄などコーチ陣も20人いたので総勢100人を越えていましたが、コロナの影響で子どもは一時25人まで減って、今は回復していて子どもたちは40人くらいですね。
−小原さんは「卓球が楽しいから」とおっしゃられていますが、その気持だけでこれほどまで続けられるものなのでしょうか?
小原 最初の頃は子どもたちを強くしようと思って、少し厳しくやりましたが、それでは強くならなかったんです。だったら卓球を楽しんでもらおうと方針転換したら、子どもたちの成績も上がりました。教えている子が活躍するとうれしいですし、負けたらくやしかったりしますが、なによりも子どもたちと一緒にいると楽しいんですよね。
長く続けてこられたのは、多くのコーチや父兄の皆さんやその他大勢の方々に支え続けられてきたからだと思います。今年の役職者として登録は、中野先生、増田コーチ、井岡コーチと私ほかの計14人です。
すべてボランティアで指導してもらっています。このほか子どもが卒業とともに卒業したたくさんのコーチがいましたが、常に子供たちのことを最優先に考えてくれるコーチがいるし、いたから、続けられていると思っています。
また、JUPICはスポーツ少年団にも登録していますので、「JUPIC親の会」という母集団があります。父兄全員に加入していただき、練習会場や大会会場への送迎や、卓球場の補修、球拾いなど、ありとあらゆる協力をしてもらっています。親の会の協力により卓球センターの駐車場で、よく焼肉パーティをやりましたね。毎回、焼肉パーティも楽しかったですよ。
それと、22年にわたり会場を提供していただいおります中野セメント工業の社長さんには、とっても感謝しています。卓球センターがあるおかげで続けることができていますし、同じ卓球センターを利用している、鎌田クラブ、ファン卓球クラブやまるしん卓球スクールの皆さんにも支えられてきました。卓球台を寄贈してくれたり、卓球センターを修理してくれたり、子供たちの練習相手をしてくれたりとか、とっても感謝しています。
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