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中国リポート

中国国家チームの新指導体制スタート−前編。新監督の王皓、馬琳の手腕は?

少し前のニュースになるが、2022年12月27〜29日、中国卓球協会は国家チームや全国の省・市・自治区の監督・コーチなどによるオンライン交流ミーティングと、国家男女・青年チームの監督/コーチ選考会議を実施。1月4日に31名の候補者の中から選ばれた、24名の新たな指導陣の陣容が発表された。2024年パリ五輪を戦うその顔ぶれを、前・後編に分けて紹介していこう。

 

[国家チーム]
総監督:李隼
男子監督:王皓 女子監督:馬琳
コーチ:陳振江、崔慶磊、李大成、劉恒、劉志強、馬俊峰、邱貽可、孫遜、徐輝、鐘金勇
混合ダブルスグループ長:肖戦
[国家青年チーム]
男子監督:劉彬 女子監督:饒静文
コーチ:杜朋、李鷺、李振山、聶維、任浩、申超、楊宇標、趙暢

 

これまで国家チームは1軍と2軍に分かれており、2軍はジュニアが主体ながら年齢の制限は特になく、1軍と2軍を入れ替えるリーグ戦が定期的に実施されていた。2020年からはその下に「青少年(11〜14歳)」と「少年(7〜10歳)」のトレーニングチームが設置される形だった。今回の発表では国家チームをシニアとジュニア(18歳以下)に分け、指導陣を設置する形だが、実態は大きくは変わらないようだ。

今回の選考会議では、2017年に劉国梁(現・中国卓球協会会長)が退任して以来、空位になっていた総監督職が久々に復活。国家女子チーム監督だった李隼がその任に就いた。今年で60歳になる李隼総監督は体調面に不安を抱えるものの、数多の金メダリストを育てた名伯楽はやはり国家チームに留めておきたかったのだろう。

最強軍団・中国女子を支えてきた李隼(写真左から3番目)。国家チームにはまだ彼の力が必要だ

李隼に代わって国家女子チーム監督となるのは馬琳。劉国梁会長からの信任も厚く、2008年北京五輪の金メダリストが満を持しての登板だ。一方、国家男子チームは王皓が新監督に就任。2000年代から2010年代前半にかけて、中国代表として一時代を築いたペンホルダーふたりが、男女チーム監督として新たにタッグを組む。より頭脳的なプレーが求められるペンホルダーのほうが、指導者の適性があるという中国卓球界のセオリーは今も生き続けている。

馬琳は満を持して中国女子チーム監督に就任

39歳の若さで中国男子チームの監督に就任した王皓

一方で、2017年4月から国家男子チーム監督を務めていた秦志戩は、中国卓球協会の秘書長に就任した。実務のトップであり、日本で言えば専務理事に相当するポジションか。まだ46歳の秦志戩が強化の現場を離れたことについては、中国でも様々な憶測の記事が出されている。指導力不足を問う声もあれば、WTT評議会議長であり、ITTF副会長として国際舞台に立とうとしている劉国梁が、中国卓球協会の実務を任せたという指摘もある。

また、オリンピックの正式種目となった混合ダブルスのプレーを研究するグループ長として、王曼昱の担当コーチだった肖戦の就任が発表されている。コーチ陣の顔ぶれや経歴については、後編でお伝えしましょう。

中国男子チームの監督を退任した秦志戩(左から2番目)。ベンチでのオーバーアクションが好きだったのだが……

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