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中国リポート

中国国家チームの新指導体制スタート−後編。最強軍団を支えるコーチ陣の顔ぶれ

★中国国家チームのコーチ陣

[国家チーム]
●総監督:李隼
●男子監督:王皓 ●女子監督:馬琳
●コーチ:陳振江、崔慶磊、李大成、劉恒、劉志強、馬俊峰、邱貽可、孫遜、徐輝、鐘金勇
●混合ダブルスグループ長:肖戦
[国家青年チーム]
●男子監督:劉彬 ●女子監督:饒静文
●コーチ:杜朋、李鷺、李振山、聶維、任浩、申超、楊宇標、趙暢

 

1月4日に発表された中国国家チームの新指導体制。改めて掲載すると上記のとおりだ。国家チームのコーチとして発表されたのは10名。男子と女子、どちらを指導するかは明記されていないが、これまで陳振江・崔慶磊・劉恒・劉志強は男子、馬俊峰・邱貽可・李大成は女子を指導していた。孫遜と徐輝は新任、鐘金勇は再任となる。

2022年世界選手権団体戦で、戦況を見守る男子チームのコーチ陣。最上段の左から劉恒、劉志強、王皓、崔慶磊

ベテラン勢から挙げていくと、最年長の鐘金勇は1998年から国家チームで指導した経験を持つコーチ陣の最年長。かつて張継科の担当コーチを務め、2017〜18年には韓国女子チームに派遣されて指導した経験もある。コーチ選考会では「私にはひとりの『老教練』としての責任と義務があり、再び選手を育成し、彼らのより早い成長をサポートし、不滅の国家チームの栄光に貢献していきたい」と熱い抱負を述べている。

逆に最年少は、昨年から正式に男子1軍チームのコーチとなった33歳の崔慶磊。国家チームに長く在籍した実力者で、中国チームのトレーナーとしても信頼されていた右シェークドライブ型のテクニシャン。孫穎莎の担当コーチである37歳の邱貽可、国家チームを引退後は超級リーグやスウェーデンリーグで活躍した右ペンドライブ型の徐輝(40歳)も代表経験者だ。

孫穎莎の担当コーチである邱貽可も新指導陣の一員となった(写真は2017年全中国運動会)

徐輝とともに新たに国家チームの指導陣に加わった孫遜は懐かしい名前。かつて日本リーグ男子1部の東京アートで、コーチとして韓陽(08年北京五輪・日本代表)を指導し、日本語も堪能。帰国後の2014年から地元の遼寧省チームでコーチとなり、2020年から国家青年チームでコーチや監督として経験を積んできた。同郷の馬琳・女子監督とは昵懇(じっこん)の仲で、貴重なサポート役となる。

ジュニア育成のスペシャリストである陳振江、ともに2006年から国家チームでコーチを務めてきた劉恒と馬俊峰、各省チームで指導経験を積んできた李大成、河北省チーム監督から2013年に国家チームの指導陣に入った劉志強など、経験豊富なコーチたちも健在だ。ちなみに国家チームの指導陣は全員が男性。女性のコーチは、青年女子チーム監督で2013年世界選手権・混合複3位の饒静文、四川省チームで選手として活躍した聶維のふたりしかいない。

2019年世界ジュニア選手権で、中国男子のベンチに入った陳振江コーチ

経験豊富なベテランコーチと、新たに指導陣に加わった若手コーチをバランス良く配置する一方で、かつて男子1軍チームのヘッドコーチだった劉国正は清華大学の体育部副教授となり、女子2軍チームのヘッドコーチだった閻森も国家チームを離れた。劉国梁が指導した「劉国梁チルドレン」が指導陣の中心となり、2024年パリ五輪へ向かうことになる。

2001年世界選手権団体戦で中国男子の大ピンチを救った「奇跡の男」、劉国正はすでに昨年から指導陣を離れている(写真は2017年全中国運動会)

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