本日8月10日(18時)に日本卓球協会の宮﨑義仁専務理事が緊急の記者会見を行った。
内容は「パリ五輪の国内選考に関しての、経緯の説明」。7月11日にITTF(国際卓球連盟)が「パリ五輪の団体戦の出場資格を得た16チームからは、シングルス種目へ2名の選手が出場でき、その2名は世界ランキング上位が選ばれる」と発表された後に誤った報道がされているので、経緯を説明したいと自ら開いた緊急会見だった。
宮﨑専務理事の説明の概略は以下のとおりだ。
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7月11日以降、ITTFのラウル(・カリン)専務理事と何度もやり取りをしていて、ITTF発表後に「団体戦の出場するチームはNOC(各国のオリンピック委員会)に与えられるが、2名のシングルス出場枠は世界ランキング上位者に割り当てられるのが望ましい」と理解しているが、日本が団体出場枠を獲得した時に(日本であれば)JOC(日本オリンピック委員会)がシングルスの選手を決められると理解してもよいか」とラウルに質問をメールや電話でしてきた。
彼からは「問題ない」と聞いたが、ITTFかIOC(国際オリンピック委員会)から正式な文書がほしいと要求してきたが、まだもらっていない。
たとえば世界ランキングで日本選手の1位、2位の選手ではなく、3位、4位の選手を選んだ場合、団体戦用に(シングルスで選んでいない)1位の選手を選んでも問題ないのか、という質問をして、その文書での回答を待っていて、何度も彼に聞いているが現時点ではまだ届いていない。
団体戦の枠を獲得したらNOCが団体戦の3名を選べて、シングルスの2名を選ぶことができることを正式に追記してもらうことを希望しています。ITTF、IOCからの回答がないと決定版として「パリ五輪日本代表の選考基準」として発表できません。
昨日、その経緯を選手に説明しました。選手からは一言も質問や意見は出ませんでした。すべて納得していると理解しています。
ーー「(シングルスの2名は)世界ランキング上位者が望ましい」という文言、その「望ましい」という単語はどこにあるのでしょうか?
「ITTFが発表した五輪出場資格システムの文章のB4、A team quota entitles the NOC to two single quotas for which the two highest ranked athletes on the World Rankings by 18 June 2024 from the team are eligible. ここのeligibleという単語です」
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「当初、メディアで誤った報道がされ、これを文章で発表すると情報が独り歩きするので、文章での発表はしません」と言って会見を締めくくった。もちろん。9月3・4日の「全農カップ TOP32福岡大会」(パリ五輪国内選考会)は予定通り行われる。
<解説>
昨年9月に日本卓球協会は「2024 年パリオリンピック男女日本代表候補選手選考基準の考え方」を発表。合計6回の選考会にTリーグ個人戦、Tリーグの勝利ポイント、2回の全日本選手権、アジア選手権、世界選手権、それに今年の6月に追加された、「中国のトップ3に勝った時のポイント」の合計で上位2名がパリ五輪のシングルス代表となり、3人目は協会が選出と発表した。
しかし、4月頃からITTFが「シングルスは世界ランキングの上位者が代表権を獲得する」というシステムにする情報が出ていて、宮﨑専務理事は(当時強化本部長)本誌のインタビューで「世界ランキングで(日本代表を)決めることはない」「最終的にはNFが選手を承認するので日本は独自に決めて結構ですとITTFは言っています。ITTFは五輪代表を選出するレギュレーション(規定)をIOC(国際オリンピック委員会)に対して提出しますが、『最終的には選手は各NFが決める』という文言を入れることになっています」と答えている。
ところがITTFが7月に発表した「五輪出場資格システム」に宮﨑専務理事が希望した文言がなく、「世界ランキング上位者が五輪に出場すると誤った報道があった」ためにその経緯を細かく説明した会見だった。
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