全日本団体の女子は、豊富な戦型を揃える中国電力が決勝でサンリツを下して2連覇を達成。中国電力は、今年4月に行われた日本リーグビッグトーナメントと6月に行われた前期日本リーグで活躍した井を今大会で積極的に起用。準決勝、決勝でその狙いがピタリとはまった。
●準々決勝
中国電力 3−2 ジュニアナショナルチーム
早稲田大 3−2 昭和電工マテリアルズ
神戸松蔭女子学院大 3−0 十六銀行
サンリツ 3−0 エクセディ
●準決勝
中国電力 3−1 早稲田大
サンリツ 3−0 神戸松蔭女子学院大
●決勝
〈中国電力 3−1 サンリツ〉
○宋 7、4、−9、8 松平
井 9、−5、11、−10、−5 永尾○
○成本 5、7、8 有延
○井 3、7、5 松平
優勝した中国電力は、右ペンドライブ型の宋、左シェーク異質攻撃型の成本、右シェークカット型の庄司、そして今大会のシンデレラガールとなった右シェークドライブ型の井と、戦型の違う選手を揃え、対戦チームに応じて選手起用を変えることができ、オーダーで他を上回っていた。
準々決勝のジュニアナショナルチーム戦では張本に2点を奪われたが、3番で起用されたカットの庄司がしっかりと勝ち、ラストはエースの宋が篠原に快勝して窮地を乗り切った。準決勝では和田監督が「笹尾選手がいる早稲田大をマークしていた」という早稲田大に対して、3番に庄司ではなく井を使って勝たせ、4番で宋が笹尾に勝って3−1で勝利。
決勝のサンリツ戦では、井を2点使いのオーダー。井は2番で永尾に競り負けるも、4番で松平を下して中国電力の優勝を決めた。宋、成本の2枚看板の安定感と信頼感に加えて、今大会では若手の井の成長により、見事に2連覇を達成した。
井は長身から繰り出す両ハンドドライブに威力が増し、特にバックドライブは柔らかいスイングからボールがコート深くに入るため決定率が高い。今大会の活躍により今後チーム戦でさらに起用されることが多くなっていくだろう。伸びしろがあり、まだまだ強くなりそうだ。
◆中国電力・和田監督インタビュー
「 前回に比べると今回は優勝はあまりイメージできませんでしたが、井が予想以上の活躍をしてくれました。土田が引退したことで井は今年から起用し始めた選手です。決勝の2点起用は前期日本リーグで松平選手に勝っていたからです。3番の成本も有延選手に分が良かったですし、今大会のオーダーは相手チームとの相性で選手を起用しました。そうしたことができたのも、宋への信頼感があってのことです。
山場は準決勝の早稲田大だと思っていました。笹尾選手はTリーグでも活躍していましたし、うちとしても相性のいい選手ではなかったので」
2位のサンリツは、第1ステージのリーグ戦から決勝まで失点はわずか1点という危なげない戦いぶりで中国電力に挑んだが、永尾の1点にとどまった。松平と永尾のツインエースが力を発揮し、有延も決勝以外は取りこぼしがなく、安定した戦いを見せた。
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