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WTTスターコンテンダー バンコクで日本が全種目で優勝。パリ五輪前最後の大会で日本勢が最高の締めくくりを見せる

7月27日から卓球競技がスタートするパリ五輪前の最後の大会としてタイで開催されたWTTスターコンテンダー バンコク(7月2〜7日)。日本勢は男女ダブルスで優勝を飾っており、最終日の7日に行われた混合ダブルスで張本智和/早田ひなが優勝。男女シングルスでも張本智和、伊藤美誠がそれぞれ優勝し、5種目すべてを制覇。パリ五輪に出場する選手はもちろん、出場しない選手の活躍も光り、改めて日本の選手層の厚さを世界に知らしめた。

 

パリ五輪混合ダブルスの第2シードをかけて林鐘勲/申裕斌(韓国)をシード争いを続けている張本/早田。ランキング2位の韓国ペアを追いかける同3位の張本/早田はここまでWTTの3大会で3連続優勝してポイント差を縮めていた。韓国ペアは今大会で決勝に進出すれば第2シードになり、日本ペアは優勝しなければ第2シードの望みはなく、加えて韓国ペアが準決勝までに負けなければいけないという条件があった。

重圧のためか韓国ペアは準々決勝で地元のパダサーク/S.スターシニーに敗戦すると、日本ペアは準決勝で林昀儒/陳思羽(チャイニーズタイペイ)、決勝で黄鎮廷/杜凱琹(香港)を破り、優勝。最後の最後で逆転し、第2シードを獲得した。

 

WTTで4大会続けて優勝と強さを見せた張本/早田(写真=WTT)

 

優勝後にベンチに入った田勢監督と写真に収まる張本、早田(写真=WTT)

 

女子シングルスは決勝で伊藤と橋本帆乃香が対戦。伊藤、橋本ともパリ五輪代表ではないが、各国の代表選手をなぎ倒し、堂々たる決勝進出。試合はもつれながらも中盤で力強いスマッシュを見せた伊藤が4‐2で勝利。伊藤は2023年2月のWTTコンテンダー アンマン以来、1年半ぶりの国際大会優勝を手にした。

 

強い伊藤美誠が帰ってきた。堂々の優勝を飾る(写真=WTT)

 

大会時の世界ランキングは139位の橋本だが、その力は世界トップレベル(写真=WTT)

 

男子シングルスに出場した張本は、今大会の自身の成績によってパリ五輪のチームランキングが左右される重要な大会になっていた。日本はチームランキング4位を死守するために、張本個人の世界ランキングポイントを上げ、5位のチャイニーズタイペイの林昀儒の追随を防ぐ必要があった。

張本は前週のWTTコンテンダー チュニスでも3種目に出場して3冠を達成し、今大会でも松島輝空と組んだ男子ダブルスと早田と組んだ混合ダブルスで優勝と、誰よりも試合数をこなしていて、体力面での心配が予想されたが、気力を振り絞ってシングルスでも最高のプレーを見せた。

両者の対決は準決勝で実現し、チームランキングのためにお互いに負けられない一戦となったが、ここまでWTTで林昀儒に2連勝中の張本は、この準決勝でも隙のない両ハンドプレーで林を圧倒。決勝進出を決めたと同時に、日本のチームランキング4位も確定。張本は勝利後に指を4本見せて「第4シードを獲ったぞ!」と喜びを見せた。

張本の勢いは止まることなく、決勝でも林高遠(中国)を寄せ付けずにストレートで勝利。林が戦意喪失するほど張本は動きと反応の早さ、打ち合いでも負けないフォアドライブ、伸びのあるバックドライブと、体力面の不安を気力でカバーし、持てる力を十分に発揮した。

 

張本はフォアハンドの威力と精度が上がり、打ち合いで勝った(写真=WTT)

 

優勝を決めて、田勢監督に飛びつく張本(写真=WTT)

 

6月27日の21歳の誕生日から、24連勝中の張本(写真=WTT)

 

パリ五輪前の最後のWTTで日本は最高の形で終えることができた。パリ五輪までの残り3週間弱。連戦の疲れを癒やす時間はそれほどないのかもしれないが、代表選手たちには帰国後に束の間の休息を得て、パリ五輪に向けて万全の状態で臨んでほしい。

 

●混合ダブルス決勝

張本智和/早田ひな 3、8、‐9、8 黄鎮廷/杜凱琹

 

●女子シングルス準決勝

伊藤美誠 10、4、4 徐孝元(韓国)

橋本帆乃香 ‐8、14、5、11 申裕斌(韓国)

●決勝

伊藤美誠 6、‐12、-4、5、8、5 橋本帆乃香

 

●男子シングルス準決勝

林高遠(中国) 6、‐8、3、6 安宰賢(韓国)

張本智和 ‐9、3、5、8 林昀儒(チャイニーズタイペイ)

●決勝

張本智和 3、8、6、9 林高遠

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