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インタビュー

ペンは強し。松下大星「実は『ペンをやめたい』と言ったことが一度あります」

松下大星が使用しているラケット。バタフライ特注の木材5枚+アリレートカーボン2枚。表面と裏面に貼るのはディグニクス05

 

別に負担はなかったですね。
「雄二の息子か」と
言ってもらうのは嬉しかったですね

●高校時代のプレースタイルについては?
松下 とにかく「振っとけ」という感じで、振ればいいし、入れば勝つし、入らなくても仕方ない、みたいな感じ。

●勝負にも淡白だった?
松下 そうですね。負ける時は「もういいや」という感じでした。

●用具は中国式を使ったこともあるよね?
松下 小学3年か4年の時に使って、1、2カ月間やりましたが、中国式はグリップが太いのが嫌で、元の日本式に戻しました。グリップが横に広いのが嫌でした。小さい頃から今のラケットの形で、中学3年から「インナーフォースZLC」を使い始めて、社会人になってからアリレートカーボンを使うようになりました。前でやる時にはアリレートのほうが良いと思っていたし、時代は「前で戦う時代」になっていたから。

●メイデンから愛工大に行くけど、冬眠してたね(笑)。
松下 大学時代もちゃんとやってたんですけど……すいません、ちゃんとやってないです(笑)。

●今となっては少し反省しているのかな。
松下 練習しなきゃいけないのはわかっていて、そのうえで遊びに行きたいと思っていたので、後悔はしてないです。練習が大事なのはわかっているのに、違うことを優先してました(笑)。

●一番強くなる時期なのにね。
松下 めちゃくちゃもったいないです。本当にもったいない。今の気持ちをその時に持っていたら毎日練習してますよ。

●その頃に毎日練習していないのがバレるんだけど(笑)。
松下 (笑)たしかに。

●そういう過程で、お父さん、お母さんに何か言われるとか、怒られることはなかったの?
松下 一度も言われてないですね。

●それは信頼されているのか、ただの放任なのか(笑)。
松下 二人ともああ見えて「卓球、卓球」ではない。兄(海輝)に対してもです。

●それは意外だね。松下雄二、下長智子、おじさんは松下浩二という輝かしい親と親戚を持つということは大変ではなかった? みんな日本代表の選手だったけど。
松下 別に負担はなかったですね。「雄二の息子か」と言ってもらうのは嬉しかったですね。

●いわゆる大星くんも二世選手だね。両親は日本代表で、その息子も強いだろうと周りからは見られて、そういうのが重荷になる選手(子ども)もいると聞く。親と比べられたりして嫌だとか、親が厳しくて卓球が嫌になったりとか。
松下 親もそう(日本代表)なってほしいと思っているかもしれないけど、そういうのは見せないですね。

この間の、アジア競技大会の選考会で日本代表を決めた時には両親は? あれが初の日の丸?
松下 初ですね。二人からLINEが来ました。「おめでとう」と。

●先に自分がするべきじゃないの?(笑)
松下 そうっすかね。

●それはそうでしょ。先に「代表になりました」と。親はもっと喜ぶでしょ。
松下 忘れてました(笑)。
<松下大星インタビュー後編に続く>

 

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