●試合前は各チームスタッフも働き時。無観客だからこその工夫も
試合開始までは各チームスタッフも慌ただしく準備にあたる。練習中の選手のケアもしながら、自チームのベンチ周辺に配置するスポンサーボードやのぼり、横断幕を設置する。また、無観客であってもファンが一緒に楽しめる試みを行うチームもあった。日本生命レッドエルフであれば、ファンからの応援ボードを掲げたマスコットキャラクター・エルフィーのぬいぐるみがベンチの後ろに整列。T.T彩たまはファンからの寄せ書きの入った横断幕、岡山リベッツもファンの写真をプリントした横断幕を掲げて戦った。何もない無観客の会場は少々殺風景ではあるが、これらが会場、そして中継の映像に華やかさを与え、同会場で行われる試合であっても、コート周りの印象を大きく変えてくれる。
1日に数試合が組まれている場合は、コート内のスポンサー広告の入れ替え、チームごとの設営などを試合と試合の合間、2時間ほどの間で行っていく。
●試合は静かにスタート。ライブ配信の柱・中継スタッフも多岐にわたる
実況、解説も試合前には選手たちの練習をチェックしながら、中継に向けて情報を集める。無観客だからこそ、言葉で会場の雰囲気、試合の熱気を伝える役割は大きい。
こうして準備が整い、試合開始時刻になれば中継がスタート。昨シーズンまではMCが会場を盛り上げ、BGMと大型ビジョンでの演出に合わせての選手入場から試合がスタートしたが、無観客開催において、それらは一切ない。静かな会場の中で、選手たちは中継開始時刻に合わせてコート内に整列、中継で流れている実況の進行に合わせてTリーグのスタッフが両チームの選手たちに腕タッチを促して試合が始まる。
細かいところでは、男女の試合によってTリーグのスタッフは着用するジャージを着替えている。Tリーグのスタッフも、選手たちが着用するオフィシャルウェアサプライヤーと同じブランドのウェアを着用。昨シーズンまでは男女ともにアンダーアーマーがサプライヤーだったため、衣装替えの必要はなかったが、今シーズンより男子はバタフライ、女子はニッタクと、男女別のメーカーにわかれた。そのため、スタッフも男女の試合に応じてジャージをチェンジしている。
ライブ配信の中心を司る中継スタッフも、その仕事は多岐にわたる。カメラはもちろん、音声に、中継画面に表示するCG、ディレクター、映像を収録・伝送する中継車のスタッフなど、多くの分野のスタッフがいて中継は成り立つ。試合と試合の合間もカメラリハーサルはじめ様々なチェックを行い、試合が終われば収録映像の取り込みに伝送、Tリーグ公式サイト上で公開するダイジェスト動画を編集する。
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