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インタビュー

「ラージはメンタルが7割」全日本ラージ3連覇・池田亘通に聞く、負けない理由と卓球フリーランスの仕事論

【卓球フリーランスの道、まだまだ開拓中】

---フリーランスになって4年目で生活も変わった? 家族ができたというのもあるだろうけど。

池田:それはありますね。時代の流れというか、ぼくが独立した頃ってYouTubeでの卓球の文化みたいなものも、今ほどは根付いてなかったと思いますし。YouTubeを始めた頃は当然それだけでは生活していけないので、並行して卓球を教えたりもしたし、ほぼYouTube1本にかけてやっていた時期もあったし、他のことに時間を割いていた時期もありました。

 これまではYouTubeに力を入れてやっていたけど、最近はスタートから1周回ってきた感じがあって、今はYouTubeで何かしようというのはあまりなくて、YouTubeを使って何ができるかを考えてます。YouTubeでの活動で知名度は上がってきたかなとは思うんですけど、そこ(YouTube)での数字的な目標はなくて、今までみたいに続けながらどう他の部分につなげていくかという感じで。その一番がラージの普及で、自分にできること、還元できる部分ってそこなのかなと思っていますね。

 

---普及のための具体的なアイデアみたいなものはある?

池田:まずは全国各地に泥臭く足を運ぶことですかね。ラージをやったことがない人でも「わったが来るならちょって行ってみようかな」っていう感じでラージに触れてもらうのでも良いし、大会を主催して来てもらうのでも良い。自分だからこそできるやり方ってあるのかなと思って。フリーならではの動きやすさもあるので、同じ思いを持った人と一緒にやることもあると思うし、自分1人でやることもあるだろうし、改善を重ねながら突き詰めていきたいですね。

 

---最近は卓球に関わる働き方も多様になってきたけど、池田くんと同じように生活したいっていう人が現れたらオススメする?

池田:どうなんでしょう……オススメはしないですかね。ぼくは楽しくやってますけど、卓球に限らず、フリーでやっているとトラブルが起きても全部自分で背負わないといけない。どの仕事でもそうだと思いますけど、続ける根性がないとやっていけないし、向き不向きがあるので。

 ぼくは爆発力はないけど、コツコツやっていく継続力はあると思っていて。継続力があって、1人でやっていくのが好きな人なら良いと思います。ぼくは大変なことも楽しんでやれているんですけど、それも含めて楽しめるんなら良いんじゃないかと。

 ただ、働く土壌がまだできていないですね。ぼくが頑張って土壌を耕そうと思っているんですけど、自分で耕しに行くのはまだオススメできないです。

 

---意外と土は硬いし、石も多いぞと(笑)。最後に今後の目標は?

池田:やっぱり、ラージの普及ですよね。たくさんの人にラージボールをやってみてほしいなと思っています。でも、ラージを普及させることって、結果として全体のレベルが上がることにつながるんですよね。だから、自分が勝つことを考えたら、広めないほうが良い。小さいコミュニティでやっていたほうが勝ちやすいじゃないですか。でもそんな小さいことは言いたくない。全体のレベルが上がった中でも勝つ姿、努力する姿を見せたいですね。

 あとはやっぱり、全日本ラージ10連覇。3連覇しましたけど、正直なところ、3連覇ならいつか抜かれるだろうと。でも、若い選手だったり、新しく出場する選手も多い一般の部で10連覇したら、抜かれることはないんじゃないかなと思っています。ラージは硬式のトップ選手だからといって、パッと出て勝てるスポーツじゃないので。はるか高みを目指し続けていきたいし、それを見て1人でも自分も頑張ろうと思ってくれる人がいれば良いなと思っています。

 

【PROFILE】

池田亘通(いけだ・わたる)

北海道出身。尚志学園高(現・北科大高)時代にインターハイ学校対抗で2年連続ベスト16入り。北海道教育大函館校時代に全日学出場。大学3年時の2017年に全国ラージボール大会で初出場・初優勝。翌年からスタートした全日本ラージボール選手権では2018・2019・2022年大会で3連覇を達成(※2020・2021年大会は中止)。現在は「わった」の愛称で卓球フリーランスとして活動中

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