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インタビュー

「ラージはメンタルが7割」全日本ラージ3連覇・池田亘通に聞く、負けない理由と卓球フリーランスの仕事論

【インドア派だけど、フットワークは軽い】

---今は卓球フリーランスとして活動しているけど、生活サイクルはどんな感じ?

池田:活動の軸としてYouTubeがあって、そこにたくさん枝葉がある感じですね。年々活動も変わっていっているので、現状はという感じですけど。ぼく、かなりのインドア派なので、平日の夜とか土日に出かけたくないっていうのがあって。週に1、2回は動画の撮影とか練習に行くけど、それ以外は家で動画の編集だったり、イベントの準備だったり、事務的な作業なんかをしています。YouTubeでは明るくしゃべるようにしているけど、趣味は散歩と読書とゲームっていうくらいのインドア派です。

 

---あ、意外。もっと出歩いているイメージだったから。

池田:SNSとかを見ていたら、しょっちゅうあちこちに行っているように見えるかもしれないけど、毎日出かけている訳ではないです。外出するのは週に1、2回で、たまにイベントで●●県に行きました、今度は●●県に行きました、というのはあるんですけど、基本的には引きこもってます(笑)。出かけてもカフェに行ってゆっくりするくらい。それで夜は子どもと家にいるので、けっこう地味な生活してます。でもぼくはそういう地味な生活が好きなんです。あんまり表舞台に出るタイプじゃないので。

 

---イベントっていうのは、どういうキッカケでスタートするの?

池田:自分で企画することもあるけど、各地にコネクションがあるわけじゃないので、依頼をもらって行くことが多いですね。TwitterのDMでの依頼だったり、知り合いのつながりからのものもあったり、フワッとした会話から始まったケースもあります。ぼく自身、組織にいるわけではないので、二つ返事で「じゃあ行きましょうか」くらいのノリでいろんなところに行かせてもらってます。

 

---インドア派だけど、そこのフットワークは軽いんだ(笑)

池田:そうなんですよ。なんなんですかね(笑)。組織じゃなく個人で動いているのが大きいんじゃないですか。大学を卒業してから会社にも勤めたけど、「集団行動が向いてない」と思ってすぐに辞めたし、1人でやってるのが好きだし楽しいなと思うんです。だから、仕事以外で人に会うことも今はほとんどないですね。

 

---それなら、子どもたちとの時間もけっこう取れてるでしょ?

池田:世間一般がどのくらいというのはわからないですけど、遊んでいるほうなのかなと思います。それも普段から妻が家事だったり、いろいろな部分で助けてくれているおかげですね。全日本ラージにも子どもを連れて行ったんですけど、正直、どうするか迷ったんですよ。年1回でめちゃめちゃ緊張するのにどうしようかなって。ただでさえ緊張するのに会場でわちゃわちゃするし、ホテルの部屋でも騒ぐだろうし。それがなくても緊張で眠れないのに(笑)。

 でもそこで卓球だけの人間にはなりたくないなと思って。普段から家族の理解とサポートがあってできていることなので、子どもを連れて行って、それで負けたらしょうがないかなと。実際大変だったけど楽しかったし、勝ち負けもあるけど、やっぱり長い目で見たら連れて行って良かったかなと思ってます。

 

---子どもたちに卓球をやらせたいとか、そういうのは?

池田:よく聞かれますけど、ないですね。卓球は自分がやるのが好きなだけなので。淡々と己を高めていく感じが好きなんですよ。だから子どもにそれを求めようとは思わないし、ありがちですけど、「やりたかったらやれば良い」って感じで。

 

---でも、子どもたちはラージ界のサラブレッドでしょ?(※妻・佳乃さんも2019年全日本ラージ準優勝など)

池田:そういうことになるんですかね(笑)。でも、ぼくも自由に生きているので、子どもにも自由に生きてもらいたいですね。

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