卓球王国 2021年6月21日 発売 vol.291
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アーカイブ

別冊グッズ『こだわりすぎた男たち』アーカイブ4「有無を言わせぬ造形美」

明日、5月17日に『別冊卓球グッズ2021』がいよいよ発売。発売を記念して、別冊卓球グッズに2015年から毎年掲載される「名物企画」、『こだわりすぎた男たち』のアーカイブを一部紹介します。

今回紹介するのは、『別冊卓球グッズ2018』で大いに話題を集めた2本のラケット。下で紹介する三橋さんの「魔改造」ラケットは、掲載後に大会で「これが本物か〜」と言われたそうです。2本目のラケットの篠平さんは、ドイツでの世界ベテランで「ラケットと記念写真を撮らせてください」とお願いされたのだとか。用具の存在感、すごいです……。

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【別冊卓球グッズ2018より】 ※プレー写真や使用用具、所属チームなどは掲載当時のものです

 

三橋 雄司(相模原ベテラン会)

[Profile]1952(昭和27)年5月21日生まれ、神奈川県出身。相模原ベテラン会に所属し、13年全日本クラブ選手権60代ベスト8、17年度東京選手権ハイシックスティ出場、右シェーク両面裏ソフト攻撃型

有無を言わせぬ造形美。角度がキマる異端の一本

改造ラケットの極み、と言っても過言ではないだろう。鶴の首のように細いグリップの根元から、人差し指の台が突き出している。恐るべき改造に隠された真意とは?

テニスのラケットに着想、ブレない角度を追求

まるで奔放な進化を遂げた昆虫だ。ラケット交換でこのラケットを差し出されたら、思わず手を引っ込めるかもしれないが、決して奇をてらったラケットではない。

高校を卒業する直前、ペンホルダーからシェークに転向した三橋雄司。東京都立大でもシェークでプレーを続けたが、どうしてもラケット面の角度が安定しなかった。大学卒業後、数年して卓球を再開した時、テニスのラケットにヒントを得てラケットの改造に着手した。

「テニスラケットはグリップをしっかり握って、フラットにパーンと打つと意外にスイートエリアが広い。だからテニスのグリップを参考にして、フラット打ちで打球できるような角度を作りました。普通に持った時に面が少し上を向くので、フォア前も乗っけて払うことができる」

バックハンドを強く振るのは難しいが、角度の安定性を生かして正確にブロックし、ラリーではテニスさながらの鋭いミート打ちが決まる。「若い子には全然ダメ、おじさん同士で勝てるラケット」と本人は謙遜するが、個性を生かし、弱点をカバーするチューンナップの基本は外していない。

初代モデルは接着剤の重量が響き、実に250gを記録。現在は190g台前半までそぎ落とし、「このラケットはこれが完成型だね」と本人は語るが……果たして額面どおりに受け取って良いものか?

 

三橋のバック面のグリップ。人差し指を受ける台に指をセットする

こちらはフォア面のグリップ。親指の部分にも、ラケットの角度が決まる木製の台が付けられている

指を受ける台の中にはクッションが貼られている

巨大なグリップ部分の中身は発泡スチロール。テニスのグリップテープを巻くのは「卓球より長くて安いから」

使わないカーボンラケットの板で両側から挟み、折れやすい細い部分を補強

 

●使用用具
ラケット:ルーティスパワー(木材3枚+ADカーボン2枚・ニッタク) ※廃番

フォア面のラバー:ラクザ7(特厚・ヤサカ)

バック面のラバー:ラクザ7ソフト(特厚・ヤサカ)

 

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