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伊藤条太、全日本選手権の開催中にトークライブを敢行!

全卓球ファンが選考の行方が気になっているときに、
そんな話をしていて良いのかという気もするが、語りたいのだから仕方がない

文=伊藤条太

来年1月の全日本選手権(以下、全日本)の開催期間中に、横浜でトークライブをすることにした。首都圏での開催は2021年12月の新宿以来、およそ2年ぶりである。

今回の全日本は、パリ五輪のシングルスの代表が決まる劇的な大会となるはずだが、その裏でそれとは何の関係もない、卓球歴史マニアたちの実態やら昭和初期の卓球雑誌やら荻村伊智朗大先生についてみっちりと語ってみたい。全卓球ファンが選考の行方が気になっているときに、そんな話をしていて良いのかという気もするが、語りたいのだから仕方がない。

しかも内容はこれまでにも増してマニアックなもので「そんなことを語ってどうなる」という話ではある。

卓球の歴史など本やネットで調べれば十分だと思うかもしれないが、実は未だに新発見が続いている。たとえば卓球にセルロイドのボールが導入されたのは、1900年にジェームズ・ギブによってであり、それによって卓球が世界的に普及したというのが定説だった。私もあちこちでそのように書いてきた。

ところがつい先日の今年9月、アメリカの卓球史研究家が、ギブの発明の6年も前の1894年の雑誌の記事に、セルロイドのボールを使った卓球が非常に人気があると書いてあるのを発見した。これによってギブは123年ぶりに「ただの人」になってしまったのだ(言い過ぎか)。今回、トークライブをしようと考えたのは、この報せがきっかけの一つである。

他にも、卓球の骨とう品を2万点も集めたのが国際卓球連盟の目にとまり、卓球博物館の初代館長を任されてスイスに移住してしまったアメリカ人やら、1929年世界選手権の銅メダルをアメリカ・ユタ州の地中から発見した男の話などをしたいと思う。

こうしたマニアたちの所行が面白いのもさることながら、実は彼らの存在そのものが面白いのである。もしかすると、これは卓球というスポーツが凝り性の人たちを集めるためなのかもしれず、その意味では卓球の本質に触れるものであるかもしれない。今回はそのあたりを掘り下げ、さまざまなタイプの卓球マニアたちの実態を紹介したい。そこには卓球固有の人間ドラマが見えてくるはずである。

もう一つ紹介したいのは、この12月4日に29回目の命日を迎えた世界卓球界の偉人、荻村伊智朗大先生である。荻村が偉大な人物であることは周知のことだが、その魅力を表現するのは難しい。私はこれまで荻村をかなりおちょくってもいるので、あるトークライブでお客さんから「伊藤さんは荻村伊智朗を嫌いなんですか?」と言われたほどである。

まったく逆に、私は息子に伊智朗と名づけ、荻村のことを語ると場合によっては感動で声が詰まるほど好きなのだが、なにしろ複雑な魅力を持った方なので表現が難しい。おまけにそもそも今さら荻村伊智朗の話を聞きたい人がいるとも思えず、これまでのトークライブでは封印してきたのだが、人生は短いので挑戦することにした。

荻村伊智朗を先人に持つ、卓球というスポーツに関わったことを誇りに思える、そんなトークライブにしたい。

開催は1月25日。パリ五輪選考ポイントの上位選手たちが全日本のシングルスの初戦(スーパーシードなので4回戦)に登場する前夜だ。2年弱にわたった選考レースの決着がどうなるか、その緊張を紛らすため、あるいは誰が代表になったとしてもそれを祝福する前夜祭として、ぜひ集って卓球マニアと荻村伊智朗の話にうつつを抜かしていただきたい。

 

  • 「卓球トークライブ2024横浜」

2024年1月25日(木)19:00-21:00(18:30開場)

会場:Naked Loft YOKOHAMA(ネイキッドロフト横浜)

住所:神奈川県横浜市西区南幸2丁目1−22 相鉄ムービル 3階

   TEL 045-534-6268

料金:前売 2,500円 / 当日 3,000円(要1オーダー 500円以上)

配信チケット:2,000円

■詳細&ご予約

https://www.loft-prj.co.jp/schedule/naked/271233

 

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