卓球王国 2024年10月21日 発売
バックナンバー 定期購読のお申し込み
トピックス

【アジア競技大会】張本智和、メダルをほぼ手中に収めながら、負傷で無念の逆転負け

上写真:アジア競技大会の男子シングルス準々決勝、張禹珍に3−4で敗れた張本智和(写真は23年世界選手権)

第19回アジア競技大会の大会第9日目、男子シングルス準々決勝に登場した張本智和は、張禹珍(韓国)に対してゲームカウント3−0とリードしながら、ジュースの連続となった5ゲーム目終盤に左脚を負傷。最後まで試合を続行し、懸命のプレーを続けたが、無念の敗戦を喫した。

3回戦で吉村真晴が黃鎮廷(香港)との熱戦に惜敗する中、左腕のNo.アラミヤン(イラン)に4−2で競り勝った張本。男子団体準々決勝の借りを返したが、ゲームカウント3−0から2ゲームを返され、6ゲーム目もジュースまでもつれた。アジア選手権からの連戦ということもあり、相当疲労が蓄積していたに違いない。

それでも準々決勝の張禹珍戦はバック対バックで確実に上回り、張禹珍の一発のパワードライブに苦しみながらも冷静にプレーを進めていた。4ゲーム目に一気に勝負をつけたかったが、9−11で落とし、5ゲーム目は5−1、8−3のリードから9−10と逆転される苦しい展開。それでもジュースに持ち込み、3回のマッチポイントを奪った。メダルまではあと1点だった。しかし、14−15で張禹珍のロビングを打った後、左足に異変を訴えて10分間のインジャリータイム(治療のための休憩)。このゲームを17−19で落とす。

アジア選手権では右手の親指付近を傷めていた張本。体は満身創痍の状態だったか(写真は23年世界選手権)

6ゲーム目以降も必死にプレーを続けたが、攣(つ)ってしまった左足は棒立ちに近い状態。台上のストップやツッツキで必死に得点を重ねたが、張禹珍が4−3で逆転勝利。張本はベンチの田勢邦史監督の肩を借りながらコートを後にした。今はただ、負傷の状態が深刻ではないことを祈るばかりだ。

〈男子シングルス〉●準々決勝
張本智和 8、10、8、−9、−17、−4、−8 張禹珍(韓国)
※日本勢以外の試合結果
樊振東(中国) 7、8、1、4 荘智淵(チャイニーズタイペイ)
黃鎮廷(香港) 11、−8、−7、9、−9、9、8 林昀儒(チャイニーズタイペイ)
王楚欽(中国) 6、6、5、5 林鐘勲(韓国)
●3回戦
張本智和 9、10、8、−5、−10、10 No.アラミヤン(イラン)
吉村真晴 −7、−11、11、5、4、−5、−7 黃鎮廷(香港)
●2回戦
張本智和 3、4、−5、5、3 クルマンガリエフ(カザフスタン)
吉村真晴 −5、8、10、9、9 リ・ジョンシク(朝鮮民主主義人民共和国)

 

男子ダブルスは松下大星/及川瑞基ペアが、3回戦で安宰賢/朴康賢(韓国)にストレート勝ちする殊勲の星。一気にメダル獲得といきたかったが、準々決勝で兄弟ペアのNi.アラミヤン/No.アラミヤンに敗れた。アジア選手権にアジア競技大会と、イランは最後まで日本男子の「鬼門」だったか。もうひとペアの戸上隼輔/吉村真晴は、梁靖崑/林高遠(中国)から快調に1ゲームを先取するも、3ゲーム目以降の競り合いであと1点が遠かった。

〈男子ダブルス〉●準々決勝
松下大星/及川瑞基 −6、−8、−5 Ni.アラミヤン/No.アラミヤン(イラン)
●3回戦
松下大星/及川瑞基 7、8、8 安宰賢/朴康賢(韓国)
●2回戦
松下大星/及川瑞基 5、10、−9、5 べー・クンティン/チョウ・ジェユー(シンガポール)
戸上隼輔/吉村真晴 2、−5、−9、−9 梁靖崑/林高遠(中国)

関連する記事