USスマッシュ、男子シングルスは王楚欽(中国)が決勝で日本勢として唯一決勝に勝ち進んだ張本智和(トヨタ自動車)を4-0で下し、WTTグランドスマッシュ3度目の栄冠に輝いた。
●男子シングルス決勝
王楚欽(中国) 3、6、10、8 張本智和(トヨタ自動車)
男子シングルス決勝は、準決勝でともに最終ゲームにもつれる激闘を制した王楚欽と張本の対戦となった。序盤から王楚欽の豪打が炸裂し、2-3から9連続得点で王楚欽がゲームを先行。続く2ゲーム目も主導権を譲らず、11-6で連取した。
3ゲーム目は張本も反撃し、序盤で大きくリード。10-8とゲームポイントを握ったが、レシーブや3球目の早い展開でミスが続き、王楚欽が4点を連取して逆転。最終ゲームも中盤までは一進一退の展開となったが、巧みなコース取りを見せた王楚欽が11-8で勝利。世界王者としての意地を見せた。
充実した両ハンドを武器に、張本を完封した王楚欽
準優勝となった張本。ゲームポイントを握った3ゲーム目を取りたかった
☆王楚欽コメント
「リードしているときも、劣勢のときも、常に冷静でいようと心がけました。メンタルを安定させ、ひたすら打球に集中しました。勝利が決まった瞬間は、率直に言えばホッとしましたね。試合が終わってようやくしっかり休めるのがうれしいです。今大会では、これまでの大会ほど気持ちが高まったり、心が弾むような感覚はあまりありませんでした。それでも、この状況で自分の限界を超え、勝ちきれたことは素直にうれしいし、間違いなく自分にとってプラスになったと思います。大会を振り返って、何が良かったのか、何が足りなかったのかをしっかり考えて、これからも改善していきたいです」
一方、張本は決勝で敗れはしたものの、今大会で見せたプレーには大きく成長を感じさせるものがあった。準々決勝の林昀儒(チャイニーズタイペイ)戦、準決勝の林詩棟(中国)戦では、相手の後陣から放たれる鋭いパワードライブに対しても一歩も引かず、ブロックとカウンターを鮮やかに繰り出し、これまで以上の成長を印象づけた。体調が万全ではない中でも、競り合いをものにする勝負強さを発揮し、プレー面はもちろん、精神面でも一段と頼もしさを増した姿を示した。
写真提供:WTT
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