USスマッシュ、大会最終日となった現地時間13日は男女シングルスの決勝が行われ、女子シングルスでは朱雨玲(マカオ)が初優勝を果たした。
●女子シングルス決勝
朱雨玲(マカオ) -7、-8、7、5、9、8 陳熠(中国)
女子決勝は、1回戦から準決勝まで5試合中4試合をフルゲームで勝利して勝ち上がってきた20歳の陳熠(中国)と、第2シードの王曼昱(中国)、伊藤美誠(スターツ)らを下して勝ち上がった元中国代表の朱雨玲(マカオ)の対戦となった。
効果的にミドルを突きながら両サイドを攻めた陳熠が勢いよく2ゲームを先制。しかし、3ゲーム目からは朱雨玲もミドルへの攻撃に徐々に対応し、ラリーでは回転量を調節しながら返球の深さを変えるなど、長い間磨かれてきた技術を惜しみなく発揮。2-2に追いつくと、5・6ゲーム目は一進一退の展開となったが、勝負どころで確実に得点した朱雨玲が4-2で勝利。WTTシリーズ最高峰となるグランドスマッシュで見事栄冠を手にした。
返球時にボールを長く持って回転をかけ返す「食球(チィチウ」の感覚は素晴らしかった朱雨玲
トップランカーを連破しての準優勝と大いに存在感を放った陳熠。今後の活躍にも注目だ
甲状腺がんで一度引退し、約3年のブランクを経て2024年9月に再び国際大会に復帰して半年で頂点に上り詰めた朱雨玲。勝利後のインタビューではまず、「私たち双方が余すことなく力を発揮しました。まずは中国の若い闘士に拍手を送ってあげてください」と後輩の健闘を称えた。そして、「私はまだ夢の中にいるようです。この夢がこのまま続くことを願っています」とコメント。長い間磨かれてきた技術は体に染みついており、3年のブランクを経ても失われることはなかった。それを改めて感じさせる戦いぶりだった。
表彰式では笑顔を見せたふたりのファイナリスト
☆朱雨玲優勝コメント
「5年ぶりに彼女と試合をしました。まず思ったのは、時間が経つのが本当に早いということ。もう5年も経っていたんですね。今日の試合に向けては、メンタル面でとても良い準備ができていました。理由はいくつかあります。1つは長い間対戦していなかったこと。彼女はずっとプロツアーで戦ってきたけれど、私は表舞台から離れていました。だから彼女がスポットライトを浴びている間、私は影に隠れていたようなもので、それが逆にリラックスにつながったんです。
入場して握手した直後、彼女の表情がとても張り詰めていて、重圧を感じているのがわかりました。おそらく自分に大きな期待をかけていたのでしょう。比較すると、私はもう少しベテランの立場ですしね。遠く離れた地で、中国のファンからの声援を聞けたことはとても大きな意味がありました。試合中もずっと応援を感じていて、ときにはスタンドのリズムに自分が合わせている瞬間もありました。ああいう雰囲気はアスリートにとってすべてです。うまく調和できれば、それが大きな力になります」
写真提供:WTT
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