12月4〜10日、四川省成都市で行われる第1回ITTF混合団体ワールドカップ。当初はエントリーを回避していた日本の参加も正式に認められ、11月17日に出場する18チームが発表された。
混合団体へのエントリーは各チームとも男女それぞれ3〜4名。中国卓球協会は同じく11月17日、男子の樊振東・王楚欽・馬龍、女子の孫穎莎・王曼昱・陳夢のエントリーを発表したが、翌18日には北京で4人目の出場メンバーを決める選考会が行われた。
選考会は混合ダブルスの総当りで行われ、林高遠/王芸迪、梁靖崑/銭天一、袁励岑/陳幸同、林詩棟/蒯曼の4ペアが出場。2023年アジア選手権優勝ペアの林高遠/王芸迪が梁靖崑/銭天一を3ー1、袁励岑/陳幸同を3ー0で破り、最大の難敵である林詩棟/蒯曼にも3ー2で競り勝って代表権を獲得。林高遠と王芸迪がそれぞれ4番目の中国代表となった。
選考会をシングルスではなく混合ダブルスで行ったのは、男子の林高遠を4番手に選びたかったのではないか。混合団体ワールドカップは下記のような試合方式で行われ、1番の混合ダブルスに出場した選手は、2・3番のシングルスには出場できない。
〈混合団体ワールドカップの試合方式〉
1番:混合ダブルス
2番:女子シングルス
3番:男子シングルス
4番:女子ダブルスまたは男子ダブルス
5番:男子ダブルスまたは女子ダブルス
※4・5番の順番は試合前に監督同士で決定
王楚欽/孫穎莎という世界選手権混合複2連覇の最強ペアを擁する中国。一方で、樊振東と馬龍はシングルスでの抜群の実績に比べ、混合ダブルスでは目立った実績がない。女子3人とのペアリングを考えても、樊振東/王曼昱が今年3月のWTTシンガポールスマッシュに出場しているが、準決勝で張本智和/早田ひなにストレートで敗れた。
林高遠がいれば、選考会でペアを組んだ王芸迪でも、王曼昱でもペアが組めるし、男子ダブルスでも樊振東とのアジア選手権優勝ペアを組むことができる。すでに28歳とベテランの域に入ってきた林高遠だが、中国チームにとっては貴重なバイプレーヤーなのだ。
これでますますオーダーにも隙がなくなった中国。日本をはじめとする世界の強豪チームは、その堅固な壁にどのように楔(くさび)を打ち込むのか。
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