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「日本男子に氷河期が来ます」と卓球の水谷隼。その氷河期を突き抜けて、全日本卓球で優勝するのは誰だ!

 

「今の選手たちはどれだけ努力しても

『安全地帯での努力』なんですよ。

自分がダメージを負うような環境に

身を置かないと世界では勝てない」

 

今日からいよいよ東京体育館で「全日本卓球」こと、全日本卓球選手権大会が始まった。
東京五輪金メダリスト(混合ダブルス)の水谷隼(木下グループ)が現役を退き、昨年11月の世界選手権ヒューストン大会では日本男子は戸上隼輔(明治大)のベスト32が最高の成績だった。日本のエース、世界4位(当時)の張本智和(木下グループ)は初戦負けだった。
卓球王国最新号(1月)の大特集「水谷隼 さよならは 言わない」のロングインタビューでは、現役を退いた水谷が後輩たちに厳しいアドバイスを与えている。水谷へのインタビューはヒューストン大会の前に行っていた。
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●−−水谷隼らしい、日本の卓球界への提言を最後に聞きたいですね。
水谷 ぼくは前からずっと言ってるじゃないですか。日本の卓球男子には氷河期が来ます。なぜなら、今の日本の環境が良くなりすぎて、コーチも選手も現状に甘えてしまっているように見えます。
●−−今の選手はTリーグもあるし、ある程度稼げるからそこに満足している人たちもいる。ヨーロッパのリーグとか、外に行かない傾向があるね。
水谷 Tリーグができたことで安定した収入と土台ができたので、リスクを冒さなくなっているんです。でも人間って、リスクを冒した時にすごく力を発揮すると思うんですよ。ぼくもそういう人生を送ってきたし、邱(建新コーチ)さんと契約する時でも自分の貯金を使い果たすつもりでやった。自分へのプレッシャーがあったから、それが力になっていました。今の選手は安定しているがゆえに、挑戦する気持ちや「世界で勝つぞ」という強い気概が減っているように思うんですよ。
今の選手たちはどれだけ努力しても「安全地帯での努力」なんですよ。自分がダメージを負うような環境に身を置かないと世界では勝てない。波が大きくうねるようなところに身を置いて初めて選手は成長すると思う。波が穏やかな海の上で漂っていても何も変わらないですよ。(卓球王国3月号より抜粋)
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「日本男子に氷河期が来ます」というのはヒューストン大会前の水谷の予言となってしまった。
水谷という世界に誇るトップ選手がいて、その下で張本、丹羽孝希(スヴェンソン)、宇田幸矢(明治大)、戸上という選手が力をつけていった。しかし、水谷が抜けた後、アジア、ヨーロッパの強豪チームに対抗できるか否かは4月に行われる世界団体選手権大会がひとつの試金石になるだろう。
世界の卓球界では男子のほうが選手層が厚い。中国、韓国、チャイニーズ・タイペイ、香港、ドイツ、スウェーデン、フランス、ロシアなどのチームも強いし、個人ではカルデラノ(ブラジル)、アルナ(ナイジェリア)なども手強い。

こういった状況で日本の男子は「水谷抜き」で世界選手権や五輪のメダルを狙えるだろうか。今日から始まる全日本卓球での日本男子は、いわゆる「ポスト水谷」の争いとも言えるし、その座を世界最高位ランキングを持つ張本が奪うのか、前回チャンピオンの及川瑞基(木下グループ)が連覇するのか、それとも気鋭の若手が奪い取るのか。
まさに今後の日本男子の勢いを占う全日本卓球と言えるだろう。

 

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