6月20・21日に開催された2024年アジア選手権アルマトイ大会(個人戦)兼2025年世界選手権ドーハ大会(個人戦)アジア大陸予選会 男女日本代表選手選考会で優勝を果たし、代表切符をつかんだ大藤沙月(ミキハウス)。全日本ジュニアで2連覇を達成するなど、同い年に木原美悠(木下グループ)、横井咲桜(ミキハウス)、赤江夏星(日本生命)ら実力者が揃う同年代の中で常に先頭集団を走ってきたが、シニアでは初の日本代表入りとなった。4・5月のWTTフィーダーでも3大会連続優勝を達成するなど好調ぶりを見せる大藤、優勝後のコメントを掲載する。
-優勝おめでとうございます。まず、喜びの声から聞かせてください。
大藤 この選考会で絶対優勝するという気持ちでやってきたので、決勝では(ゲームカウント)0-2で負けていたんですけど、「絶対勝つ」という気持ちで最後勝てて良かったです。
-今回の選考会にはどんな気持ちで臨んでいましたか?
大藤 同世代の木原(美悠)選手や長﨑(美柚)選手が世界選手権に出ているのを見て、「自分も絶対に(世界選手権に)行きたい」という気持ちがあって、今回が一番チャンスがあると思っていたので、勝てて良かったです。
-準決勝(橋本帆乃香)、決勝(佐藤瞳)を振り返っていかがでしたか?
大藤 どちらもカットマンで、いつも練習しているんですけど、練習の時より強いなと感じていました。
-決勝は(ゲームカウント)0-2まで追い込まれましたが、どんなことを考えながらプレーしていましたか。
大藤 この2カ月くらいで、自分の気持ちがポジティブになった。だから、追い込まれた状況でも相手より余裕があると思ってプレーできたのが勝てた要因だと思います。
-(決勝の)佐藤選手もアグレッシブに攻めてきましたが、そこにどうやって対応していきましたか?
大藤 (佐藤選手は準決勝で)横井(咲桜)選手にも3-0で勝っていたので、状態がいいのはわかっていたんですけど、試合をしてみて、「それ以上だな」と思って、それでも焦らずに自分のペースでじっくり攻めることを意識しました。
-最終ゲームも4-7でリードされている状況でも冷静でいられたんでしょうか?
大藤 自分の方が余裕があると思っていて、4ゲーム目も厳しい状況から逆転できていたので、その気持ちだけで戦っていました。
-ポジティブになれた要因というのはどこにあったんですか?
大藤 コーチが坂本(竜介)コーチに代わって、気持ちの部分が変わりました。試合でも気持ちの部分で相手に勝てていたと思うので、そこがすごく変わった部分だと思います。
-坂本コーチに代わってから具体的にどう変わったのかを教えてください。
大藤 まず、自分のプレースタイルを守りから攻めに変えました。攻めるようになるとミスが出て怖くなるんですけど、そこで気持ちの部分で「ミスになったけど、良い勉強になった」と考えるようにして練習できるようになりました。
-スタイルを変えるということは、今まで積み上げてきたものを一度崩すようなことになると思うんですが、そこに不安はなかった?
大藤 それはすごくあって、ラケット・ラバーもそこで変えたので、勝てない時期があった。でも、上(の選手)に勝つことだけを考えて練習してきたので、こういう結果につながって良かったと思います。
-スタイルを変更したのはいつ頃から?
大藤 (1月の)全日本が終わってからなので2月からです。
-ラケット、ラバーは具体的にどんなものに変更したんですか?
大藤 ラケットは同じインナー(特殊素材)系なんですけど、(ボールを)持つ感覚のものから弾く感覚のものに変えて、ラバーはブロック系がやりやすいラバーから、自分で打たないと入らないようなラバーに変えました。
-用具の変更も坂本コーチのアドバイスがあってのもの?
大藤 そうです。ずっと「変えよう」と思っていたんですけど、全日本があって、自分も勝ちたい気持ちがあったのでそのまま出て、平野(美宇)選手に負けてしまった。そこで踏ん切りがついた感じです。
-一時期は気持ちが落ちていた時期があったそうですが、そこからここに辿り着いたことをどう思いますか。
大藤 嫌でも頑張って攻める練習ばかりしてきて、この3、4カ月で形になってきて、アジア選手権の代表になることができてすごく嬉しいです。
-この優勝でアジア選手権代表が決まり、その先に世界選手権がありますが、どのように戦っていきたいですか?
大藤 今の日本の女子はすごく強い選手ばかりなので、自分も負けずに強くなって、世界選手権で結果を出して、次のオリンピックを目指していきたいと思います。
-同世代に強い選手が多いことは刺激になりますか?
大藤 そうですね、はい。近くにも横井選手がいるので、2人で切磋琢磨して頑張っています。
-そうした同年代の選手が(世界選手権の)釜山大会やダーバン大会でプレーする姿をどう見ていたんですか?
大藤 (ダーバン大会の)その頃は自分はまだそのレベルに行っていないという気持ちがあって、「強くなりたい」という気持ちだけがあった。でも、そのためのきっかけがなくて、そこに坂本コーチが来てくれたことで変わったかなと思います。
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