卓球王国では2001年からインターハイベスト8の選手使用用具を誌面で公表している。唯一2010年だけが欠けているが、21年間で20大会で調べてきた。今年、男子の決勝は「非バタフライ選手」の対決となった。
データが欠けている2010年の優勝者は丹羽孝希と町飛鳥で、丹羽も町も当時、バタフライの用具を使用している。
つまりバタフライを使用していない選手同士の決勝は21年ぶりの出来事だ。
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2022年インターハイ優勝者 鈴木颯(愛工大名電高)
オリジナル トゥルーカーボン(FL)
フォア/ブルーストーム Z1 ターボ(MAX+)
バック/ブルーストーム Z1 ターボ(MAX+)
準優勝者 吉山僚一 (愛工大名電高)
馬林エキストラスペシャル(ST)
フォア/ラクザX(特厚)
バック/ラクザ7(特厚)
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ドニックの契約選手、鈴木颯とヤサカ契約選手の吉山僚一の対決となった男子シングルス決勝は鈴木が競り勝った。
ドニックとヤサカはこの2名の選手の中学生時代から、彼らの将来に賭けてサポートしてきた。卓球メーカーと有望な選手との関係はそういうもので、長い年月をかけて信頼関係を築いていく。それでもある日、可愛がっていた選手が他社に「移動」することはプロの世界では珍しくない。
1位と2位の選手の使用用具の表を見てもわかるようにピンク色のバタフライは全日本選手権だけでなく、インターハイの男子では圧倒的な使用率を誇っていた。ただし、女子ではニッタク、TSP(現VICTAS)、スティガなどを使用する選手も多い。
「男子のトップ選手はバタフライ」という定説を今大会の2人は破った。ただ、実際には男子のベスト8で他の6人はバタフライ使用者(卓球王国8月22日発売号に掲載)なのだが、ちょっとした異変が今年起きたことに間違いない。
卓球王国では7月に神戸で「ブラインド試打」を敢行。東京(別冊卓球グッズ用試打)でもバタフライとドイツラバーは試打者の感想でも接近していた。用具面でも日本対イドイツの国際競争は激しさを増している。
ただ、優勝者が「非バタフライ」でないことが注目を集めることが「バタフライ」のブランドの強さの裏返しとも言える。
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