
<卓球王国2025年1月号より>
ハイエンド裏ソフトといえば、バタフライ『ディグニクス』『テナジー』、そして各社ドイツ製ラバーの上位モデルが思い浮かぶが、その中において光る存在なのが、ニッタクの日本製裏ソフト『ハモンド Z2』だ。ニッタクが打ち出した「落としてたまるか」という印象的なキャッチコピーどおり、打ち合いでボールが落ちないことがウリとなっている。尖った性能はないものの、全体的に優等生な一枚となっている。
この『ハモンド Z2』のリリースから2年、シリーズに仲間入りしたのが『ハモンド Z2 特注』だ。これはスポンジが軟らかくなったバージョンで、オリジナルが40度(ドイツ基準50度)、そして『特注』が35度(ドイツ基準45度)。トップシートは完全に同じで、スポンジの厚さはMAXのみとなる。
ニッタクに『特注』について尋ねると、「『ハモンド Z2』自体はトップ選手の使用を踏まえて硬めのスポンジ硬度を採用しましたが、『Z2』を使用した一般ユーザーから『軟らかめのタイプがあれば使いたい』との声を多くいただいたため、『特注』として発売することになりました」とのこと。
編集部で試打したところ、とにかく中級者目線での使いやすさが抜群だった。すべての技術をそつなくこなせる安心感があり、相手の回転量の多いドライブやサービスに対しても、敏感に反応し過ぎないので、非常に返球しやすい。
ただし、ハイエンドラバーに求めたくなるラバー自体の出力は控えめ。尖った性能や、勝手に飛んでいってくれる圧倒的なパワーはないが、謳い文句どおりにボールを落とすことなく相手コートに運べる。安心感があるからこそフルスイングもできるタイプだ。
上級者向けにリリースされたハードなオリジナル版も、編集部では高評価だったが、うまく中級者向けにカスタマイズされた感のある『ハモンド Z2 特注』。より幅広く、真紅のラバーが真価を発揮することだろう。
回転力重視のトップシートは『ハモンドZ2』と同じ
●テンション系裏ソフトラバー
●¥7,480(税込) ●厚さ:MAX
●スポンジ硬度:35.0度(ドイツ基準:約45度)
●日本卓球㈱ お客様相談室 :0120・82・0911
https://www.nittaku.com/
photo >> Yoshinori Eto
text >> Hiromoto Takabe
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