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成都大会を振り返る日本女子渡辺監督「必ず中国を倒すことを実現しないといけない」

●決勝
 中国 3ー0 日本
○陳夢 6 、8、8    木原
○王曼昱 9、ー9、10、5 伊藤
○孫穎莎 7、7、8  長崎

決勝では王曼昱に敗れた伊藤美誠

 

スキのない卓球を見せた王曼昱

 

女子決勝2番の伊藤対王曼昱

 

決勝の3番で長崎を圧倒して優勝を決めた孫穎莎(スン・インシ)

 

●ー王曼昱との試合でも、2ゲーム目を取って、3ゲーム目をジュースで落とした。もしそのゲームを取っていれば……という考えがよぎります。監督から見たとき、その中国に対しての、1本、2本の差は何だったと感じていますか?
渡辺 伊藤も悪い出来ではなかったけど、それでもなお勝てないのだから、何かを変えるか、何かを付け足さないといけないんでしょうね。

●ー卓球王国最新号の「隼の眼」で水谷隼さんが言っていたのは、「サービス、レシーブがキーポイントだ。サービスは逆回転系(巻き込み)しかなかったので、縦回転や順横回転系を入れるべきだったし、レシーブはバックに来るロングサービスを待って狙うべきだった」と言っています。
渡辺 それは今まで孫穎莎も同じようなやり方をしてきて、負けているんですね。

●ーそうなると、中国は完全に対伊藤美誠戦術をチーム内で共有し、徹底しているということですね。
渡辺 中国に対して男子は2点(張本)を取っていたし、女子も1点でも2点でも取りたかった。中国の3人は全員右利きの両面裏ソフトの戦型でトリッキーな卓球をするわけではないし、模範的なプレースタイルだけど、ブロックもあって、両ハンド攻撃もあって、ドライブも安定しているというスタイルで、完成度も高い。日本選手も対中国の戦術を確立させていきたい。

●ー中国はあの3人でパリ五輪を戦うとも予想できます。
渡辺 陳夢(チェン・ムン)はどうかなと思いましたが、今回はエース扱いできたので、パリでも陳夢は出てくるでしょうね。

●ー世界の女子の現状は、日本と中国が抜けて2強とも言えるし、中国がさらに抜けた一強に、日本、そしてその他という感じですね。
渡辺 ヨーロッパが寂しいですね。ずっと低迷している感じですね。世界選手権というのはWTTとも違うし、権威のある大会ですが、ドイツの男子も主力が来なかったりとか、女子は中国と日本以外の全体のレベルは下がっているのかもしれない。

●ー日本としては木原、長﨑に世界の団体戦を経験してもらったのも今後に向けては大きいですね。
渡辺 そうですね。世界選手権は、WTTの個人戦とは違い、大変重みのある大会であることを再確認しました。さらに2人は決勝戦で中国と対戦でき貴重な経験ができました。この経験を次に活かしてほしい。日本も近い将来に張本美和とかが出てくると思いますが、選手を途切れさせないためにも世界を経験するというのは重要です。そして必ず中国を倒すことを実現しないといけないと思います。
●ーありがとうございました。

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