世界選手権成都大会を中継、放映したテレビ東京。今回の放送で日本チームの戦い方が感動を与えたが、もうひとつ、視聴者、特に卓球愛好者の視聴者をうならせたのが「水谷隼の解説」だ。要所要所での適格で、的を射たコメントと分析。選手の戦術を読み、心理状態を説明する解説に誰もが納得させられた。
一方、大会期間中に「テレ東卓球塾」の企画で試合を見ながらのYouTube配信では、歯に衣着せぬ一刀両断のトークを炸裂させた。その地上波との動画配信でのギャップ、使い分けに「水谷隼の本質」を見た。
そして、卓球王国12月号(本日21日発売)では「隼の眼」というページで、男子を中心に大会を総括した。そこでも金メダリスト水谷隼の分析を見事に披露している。
張本智和を「フレイタス戦からはフォアで回り込んで打つようになり、穴がなくなって、今大会の中で成長したような気がした」と評し、「日本男子の張本は別格で、団体戦ではひとり絶対的に強い選手がいればある程度勝てる」と言い切った。
活躍の目立った戸上に対しては、「戸上は足りない部分があったのにカルデラノやフレイタスに勝つだけの力を見せたのだから、これから安定した力で上位で戦うためには、世界のトップに勝つセオリーを学ぶべきだ」とアドバイス。
さらに、東京五輪の混合ダブルスのパートナーの伊藤美誠に対しては、「バックに来るロングサービスはフォアで狙っていけば良いのだが、伊藤はミドル付近に構え、サービスが来てから動く。これでは遅くなるので、相手がサービスを出す直前に動き出して、フォアで狙っても良かった」という細かな解説している。
改めて水谷隼という稀代のチャンピオンは並外れた分析能力と観察眼があったからこそ頂点に居続けたのだと思う。
また、この最新号では「水谷隼✕ウーゴ・カルデラノ」のビッグ対談(前編)も楽しんでほしい。
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