東京五輪金メダリストの水谷隼はテレビの世界で生き残っていくのか。それともいつしか消えていくのか。
水谷隼が卓球王国最新号で自身の現在地を語り、そして将来の自身を語っている。
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「卓球界に残る、たとえば指導者とか、そういう考えはほぼゼロですね。メダリストが指導者として協会で働くケースもあるけど、それは全く考えていない。給料も決まっているし、人の下につくのは苦手です。ぼく以外の人ができることをぼくがやる理由はない。とは言え、卓球以外の仕事のことは考えていなかった。現役の時にたくさんお金を稼いで貯金をしていたから、現役をやめる決断ができたとも言えるし、焦りはなかったですね」
現役の時に「1億円プレーヤー」と言われながらも、水谷隼がお金を使っていたイメージはない。
「お金は使わないですね。車も10年以上同じのに乗っているし、住んでるマンションも替えてないし、遊びもしない。将来が不安だから車や家も買いたいけど、我慢してます。タレント、スポーツキャスターのような仕事でも、自分が求められているのなら、そこで結果を出さないと次からは仕事が来ませんから。もちろん稼ぎたい気持ちはあります。お金はないよりはあったほうがいいし、めちゃくちゃ大変な道でも稼げるならそっちに行きますね」
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現役時代の水谷隼を知る人なら、「テレビの世界でこの男がどうやって生きていくのだろう」と想像できなかったはずだ。
決して社交的ではない。数人で集まれば、輪の中心にはいないで片隅でシニカルな笑みを浮かべながら傍観しているタイプの男だった。
ところが、いつの間にか、テレビの中の水谷は饒舌になり、反射神経を生かしたコメントも板についてきている。
彼の真骨頂は、9月の世界選手権成都大会でのテレビ解説だった。短い尺の中に適切で深いコメントを差し込むうまさに、卓球ファンは誰もがうなった。
逆説的に言えば、テレビの世界でこれほどの順応性を見せた彼のクレバーさとメンタルがあったからこそ、全日本で10回の優勝、五輪で4個のメダルを獲得した。しかし、そんな水谷でもコンプレックスを抱えていた・・・・それは一体何だったのか。
(金メダリストのセカンドキャリア「水谷隼が歩む道」インタビューは12月21日発売の卓球王国2023年2月号で掲載)
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