卓球王国 2024年12月20日 発売
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インタビュー

【PEOPLE】仲間に愛される「南波パパ」は、日本卓球界を支える縁の下の力持ち

南波家はまさに「卓球一家」である。
妻・治代(武蔵野中・高卒)は同じ一球クラブでプレー。息子・裕輝は野田学園高から法政大に進み、現在は東京ガス卓球部の主力メンバーとして活躍。2022年7月に行われた全日本実業団では準優勝という好成績を収めた。娘の里香も埼玉・星野高から新潟大に進学、全日本選手権の一般シングルスに何度も出場している。
さらに2021年2月、裕輝が2018年全日本社会人女王の平(現姓:南波)侑里香と結婚。南波が親しみを込めて「ゆりやん」と呼ぶ侑里香は、現役バリバリのTリーガーとして活躍中だ。

 

−南波家は家族の話題も卓球が多そうですね。
南波:会話はほとんど卓球関連になっちゃいますよね。その時やっている大会の話題もあるし、卓球仲間の話題もあるし、子どもたちが小さい頃は試合の内容についてあれが良かったとか、ここが良くないとか……。すぐそんな話が始まってしまうんですよね。ただ、娘の旦那さんは中学・高校(埼玉栄高)とバレーボールをやっていたので、私もVリーグとかバレーボールの国際大会を見て話題を仕入れるようにはしています(笑)。

2022年全日本実業団準優勝の強豪・東京ガスでプレーする南波裕輝

娘・里香(現姓・石井)は2022年全日本マスターズ・サーティに埼玉県代表として出場

−ちなみに侑里香さんとは卓球をしたことは?
南波:ゆりやんと打ったことはまだ一度もないんですよ。打ってみたいとは思いますけど申し訳ないし、彼女自身もTリーグや選考会が続いて、自宅には月に数回しか帰れないくらい忙しいんです。

『2022 全農CUP TOP32 船橋大会』でプレーする南波侑里香

−趣味は卓球、家族は卓球、さらに仕事も卓球になり、本当に卓球三昧の生活ですね。
南波:こんな人生になるとは思わなかったけど、面白いもんですね。でも卓球はまだまだ味わい足りないですよ。フィフティ(50歳代)の団体戦では、チームメイトのおかげで良い思いをさせてもらっていますけど、もっと面白いことがあるはずだし、意欲は全く衰えることがないですね。
毎日事務局で仕事をして、平日はその後に練習もやって、週末は大会に出る。「毎日予定をぎっちり入れてキツくないですか?」と事務局で言われることもあるけれど、それが当たり前だと思っているし、楽しい。

−これからの仕事のうえでの目標というのは何でしょう?
南波:今後も『パスウェイ研修合宿』の事業を継続してやらせてもらえるなら、そこでの選手の発掘というのはやり甲斐のある仕事だと思います。より多くの将来性のある子どもたちに、活躍の場が与えられるようにしていきたい。同時に、活動の内容についてより広くPRしていくことも必要だと思います。日本卓球協会の活動は、一般の人にはわかりにくい部分もありますから。

−最後に、プレーヤーとしての目標は?
南波:どの年代でもいいから、一度はマスターズで「てっぺん」を獲りたいなあと思いますね。全国で優勝するのはなかなか難しいし、滅多にチャンスは来ないでしょうけど、その時の勢いに乗じられればいいかなと思います。コンスタントに勝つ人もいれば、意外な人が優勝することもあるのがマスターズですから。

22年全日本マスターズ・ローシックスティでプレーする南波。頂点への挑戦は続く

−ありがとうございました。

2022年11月5日、南波が所属する一球クラブの創立40周年記念の親善試合が行われた。そこに招待されたのが、何を隠そう卓球王国NT(ナショナルチーム)。かつて弊誌・卓球王国には、各地の卓球クラブや高校・中学の卓球部にお邪魔して団体戦を行う「対決王国」という企画があり、その一環として創立30周年の時に一球クラブと対戦していたのだ。
4チームによるトーナメント戦で行われた親善試合。南波はひとりそのチームに加わることなく、進行役に徹して和やかなムードを作り上げていた。多くの卓球人の笑顔に囲まれながら、南波和彦の卓球人生はまだまだ続く(文中敬称略)。

南波が所属する埼玉・一球クラブのメンバー。創立から40年を越える老舗クラブだ

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●Profile
なんば・かずひこ
1963年3月22日生まれ、新潟県出身。新潟・柏崎高、獨協大で卓球部に所属し、大学卒業後は埼玉・一球クラブでプレー。全日本マスターズはサーティからの各年代に出場し、2022年はローシックスティ出場。全日本クラブ選手権では2018・19・22年と50代の部でベスト8入賞。2021年4月から日本卓球協会事務局に勤務し、競技者育成や指導者養成を中心に事業を担当している

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