卓球王国 2021年6月21日 発売 vol.291
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アーカイブ

別冊グッズ『こだわりすぎた男たち』アーカイブ2「ショートの鬼の10mm単板」

5月17日にいよいよ発売される『別冊卓球グッズ2021』。その発売を記念して、マスターズ選手の飽くなき用具へのこだわりを紹介する別冊グッズの「名物企画」、『こだわりすぎた男たち』のアーカイブをご紹介します。用具が主役ではなく、常に自分が主役の用具選び。取材していて、実に楽しいページなんですよ。

 

【別冊卓球グッズ2016より】 ※プレー写真や使用用具、所属チームなどは掲載当時のものです

政本 尚(清友クラブ)

「ショートの鬼」が選ぶのは一発強打のパワーモデル

同志社大時代から「鉄壁」を謳われた政本尚のショート。 選ぶ用具も弾み抑えめのものかと思いきや、むしろ真逆。 泣く子も黙る10mm単板のパワーモデルに秘められた、 ペンドライブ型のプライドとは?

破壊力でショートを生かす 最強・最速のラケット

「まさかショートマンがこれ使うとは思わないでしょ」。マスターズで9回の優勝を誇る政本尚は言う。厚さ10㎜の桧単板『柳承敏G−MAX』に『テナジー05』の特厚。総重量は142グラムに達する。

政本のブツ切りツッツキ、堅固なショートは、まさに至高の名人芸。しかし、守るだけのラケットでは怖さがない。小技を生かすための大技、3球目のパワードライブを兼ね備えた「怖い」ショートマンになるため、あえて超攻撃的な用具を選ぶのだ。

「ツッツキやショートだけを考えたら、このラケットは飛びすぎる。でも、最後に競った時はフォアのドライブで打ち抜きたいというイメージがぼくにはある。合板はやはりフォアが頼りないんです。これは『最後の一本』で威力が出るラケットです」(政本)

「ペンはここが命。ここをいかにスムーズに握れるかが勝負」と語るのは、人さし指がかかるコルクの部分。一度切り落として、短めに付け直してある。これは大阪・十三の卓球専門店、テーブルテニスアルファーの辻本伊三夫の手によるもの。40年来のつき合いで、手が小さい政本のグリップの特徴を知り尽くした辻本が、政本専用のグリップをカスタマイズしてくれる。

かつて「タンスの一番上の段は全部ラケットだった」というほど、用具にはこだわりを持つ政本。主戦技術には向いていないが、最も勝てる用具選び。長所を生かすための方法は、決してひとつではない。

 

グリップ周囲のコルク(左上写真)はすべて剥がして使用する。「切り替えがやりやすくなって、あまり削らなくても気にならないんです」(政本)

「市販品では少し長い」というグリップ部分のコルクは、切り落として短めに加工。手の小さい政本のためのカスタマイズだ

 

●使用用具

ラケット:柳承敏G-MAX(桧単板/角型・バタフライ)※現在は廃番

フォア面のラバー:テナジー05(特厚・バタフライ)

 

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