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インタビュー

【あなたの町の卓球ショップ vol.6】「高い物を売るよりも信頼をいただかなければいけません」長野県松本市・まるしん

卓球用品をネットショップで購入する人が増えている現代だが、町の卓球ショップにもたくさんの魅力がつまっている。そんな卓球ショップとその店員さんを紹介するWEB限定企画「あなたの町の卓球ショップ」。

第6回となる今回は、長野県松本市に店を構える『まるしん松本店』。国宝・松本城から徒歩すぐという好立地に店を構える『まるしん』は、地域に密着した卓球専門ショップだ。

 

松本市の中心部、松本城から歩いてすぐの所に「まるしん」はある

 

現在、まるしんは長野県内に2店舗を構えており、安曇野市にある『まるしん穂高本店』は約30年前に創業。もともとは衣料品店だったが、卓球用品を扱ってほしいという要望からラケットやラバーを扱うようになり、卓球ショップになっていった。今回紹介する『まるしん松本店』は21年前に松本市にオープンし、小野寿史生(としお)さんが店長として切り盛りしている。

 

松本店をひとりで切り盛りする小野さん。高校時代に国体3位の実績を誇る

 

「私は卓球をしていた母の影響で小学生から卓球を始めて、学生時代もずっと卓球をしていました。社会人になってすぐに父が経営する『穂高本店』で仕事を始めて、2年ほどしてから松本に店を出しました」と話す小野さんは、地元の名門校である松商学園高時代に国体3位という実績を持つ。

「長野県は北信、東信、中信、南信と大きく4つの地域に分けられていて、もともと県内に卓球専門ショップは少ないということもありますが、中信地区で卓球専門ショップをしているのはうちだけになります。そのためお客様の多くが松本市近郊の方になりますが、他市からはるばる来てくださる方もいます。

お客様のメインになるのは中学、高校生。レディースの方も多いですね。中学になってから部活動で卓球を始める子が多く、うち(松本店)で毎年担当する中学の新入部員は約300人。だいたい250~300名ほど新入部員の用具などを担当しているのですが、一番多かったのは2016年リオ五輪後で、その時は100人ほど増えました。やはり、五輪の効果は高いですね。

長野県内の中学では毎年1000人くらいの新入部員が入るのですが、高校になると3分の1くらいに減ってしまいます。これが個人的にも寂しいですね」(小野さん)

 

 

 

小野さんは新入部員が入る春先になると、担当する学校に行って商品を展示し、その場で商品の説明をしながらラケットやラバーを選んでもらっているという。「ラケットであれば木材の5枚と7枚を用意して、それぞれの要望を聞いてラバーを組み合わせています。一人ひとりとやらせていただいていて、それが毎年300人になります」と小野さん。

そうした新入部員が上達とともに店舗に足を運ぶようになり、選手とショップの関係ができあがるのも実店舗ならではのつながりだ。

「特に中学生の男子に多いんですが、メーカーのカタログやウェブを見てトップ選手が使用する弾む上級者向けのラケットや硬いラバーに変えたいという子がいます。店の売上のことを考えたら、上級者向けの高い用具を買ってもらったほうがいいのですが、それではお客様とうちが太く短いお付き合いになってしまいます。ですので、その子のレベルに応じて少し性能を上げてより合う用具を使うことの大切さを説明して、納得してアドバイスした用具を購入してもらうようにしています。高い物を売るよりも信頼をいただかなければいけません。信頼していただけなければ次にお店に来てもらえなくなってしまいます」(小野さん)

 

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