6月9〜11日、河北省・雄安新区で『2025中国卓球クラブ超級(スーパー)リーグ』の第1ステージが行われた。
ここ数年はセントラル方式で、男女とも12月に総当りのリーグ戦(第1ステージ)を行い、年末から年始にかけてプレーオフファイナル(準決勝・決勝)を行っていた超級リーグ。しかし、今季はレギュラーシーズンを第1ステージ、第2ステージ(7月25〜28日/福建省厦門市)、第3ステージ(8月29日〜9月1日/新疆ウイグル自治区・ウルムチ市)の3回に分けて実施。12月26〜28日に江蘇省南京市でプレーオフファイナルを行う形式に変更された。
今季は男子の松島輝空(山東魯能)、女子の平野美宇(深圳大学)、木原美悠(黄石基地・華新)、張本美和(成都高新若水居)の4選手が登録されたことでも話題になった超級リーグ。平野美宇が深圳大学の一員として出場し、蒯曼とのダブルスで2勝0敗、シングルスで1勝0敗、単複で3戦全勝の好成績を収めた。WTTコンテンダー スコピエに出場した松島輝空、女子NT合宿で調整し、WTTスターコンテンダー リュブリャナやWTTコンテンダー ザグレブに出場予定の張本美和は欠場し、木原は出場機会がなかった。平野が出場した深圳大学の2試合の結果は下記のとおり。
〈深圳大学 3−0 上海龍騰〉
◯平野美宇/蒯曼 10、−8、3、9 劉煒珊/何卓佳
◯覃予萱 2、7、−7、8 陳熠
◯蒯曼 5、9、9 何卓佳
〈深圳大学 3−1 華東理工大学〉
◯蒯曼/平野美宇 13、6、7 張翔宇/王暁彤
覃予萱 −8、−7、12、−4 王芸迪◯
◯平野美宇 6、8、−5、10 王暁彤
◯蒯曼 12、11、10 王芸迪
ドーハ大会で王曼昱とペアを組み、女子ダブルスチャンピオンになったばかりの左腕・蒯曼とダブルスに出場した平野。粘り強く相手コートにボールを運び、ストレートをうまく使う蒯曼とのコンビネーションでラリー戦に強さを見せた。初戦の上海龍騰戦で、右シェーク・バック粒高の何卓佳と劉煒珊のペアに3−1で競り勝ち、華東理工大学戦は張翔宇/王暁彤ペアにストレート勝ち。さらにシングルスでも右シェークドライブ型の王暁彤を撃破。スーパーエースの王芸迪(2021年世界卓球3位)を擁する華東理工大学から2点を奪い、勝利に大きく貢献した。
2勝をあげた平野(右)と蒯曼のダブルス(写真:ピンパン世界)
シングルスで平野に敗れた王暁彤(写真:ピンパン世界)
平野が超級リーグに参戦するのは、鄂尔多斯(オルドス)1980に登録された2016年シーズン以来。この時は陳夢や丁寧、劉詩ウェンといった国家チームの主力クラスには敗れたものの、馮亜蘭や車暁㬢といった国家チームの中堅選手を破り、3勝7敗の成績を残した。今回は長く指導を受けていた張成コーチがベンチに入り、さらに世界卓球2連覇を果たしたばかりの孫穎莎もベンチでサポート。真剣に孫穎莎のアドバイスを聞く平野の姿は、中国のファンからも好意とともに受け止められ、SNSなどで話題となった。
ベンチからアドバイスを送った世界女王・孫穎莎。左は平野を長年指導した張成コーチ(写真:ピンパン世界)
第1ステージの終了後、自身のインスタグラムで「素晴らしい環境で試合をさせて頂けて、とても楽しかったです。深圳大学倶楽部に感謝します」とコメントを発した平野。世界卓球ドーハ大会から間もない中での参戦となったが、確かな収穫を得たようだ。近年、王曼昱・陳幸同・銭天一を擁する山東魯能との「2強」状態が続く深圳大学。課題のダブルスで平野/蒯曼ペアが白星を重ねられれば、2シーズンぶりの王座復帰が見えてくる。
[女子第1ステージ・結果] ※得点は勝=2点/敗=1点
4点 深圳大学(2勝0敗)
3点 山東魯能(1勝1敗)
3点 上海龍騰(1勝1敗)
3点 黄石基地・華新(1勝1敗)
3点 華東理工大学(1勝1敗)
2点 成都高新若水居(0勝2敗)
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