10月11日よりインド・ブバネーシュワルで開催されている「ITTF-ATTU第28回アジア選手権」。団体戦のみで争われる今大会、日本チームは男女とも初戦となる準々決勝を勝利し、準決勝に駒を進めている(上写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)。
12日までの主な記録と内容は以下の通り。
●男子 準々決勝
〈香港 3-0 インド〉
〈日本 3-1 韓国〉
◯張本 11-9、13-11、11-7 安宰賢
◯松島 14-12、10-12、4-11、11-8、11-4 趙大成
×戸上 7-11、5-11、8-11 呉晙誠
◯張本 11-5、11-9、11-6 趙大成
松島 ーー 安宰賢
韓国戦トップと4番でストレートの勝利を収め、エースとしてチームを鼓舞しながら戦った張本智和。やはりここ一番で頼れる男だ(写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
日本男子は準々決勝で韓国と対戦。トップで張本智和がやや苦手とする安宰賢と当たったが、ストレートで快勝して先陣を切る。2番は松島輝空が趙大成とのシーソーゲームを制して2-0とリードし、準決勝進出に王手。しかし、3番は戸上隼輔が進境著しい韓国の19歳・呉晙誠に0-3で完敗し、勝負のバトンは4番の張本へ。その張本はトップ同様、エースとしての貫禄を十分に見せて趙大成を完封。チームを準決勝へ導いた。
●女子 準々決勝
〈韓国 3-1 香港〉
〈日本 3-2 北朝鮮〉
◯張本 7-11、11-6、11-5、11-13、11-1 チャ・スヨン
×早田 10-12、17-15、4-11、11-8、8-11 キム・クムヨン
◯大藤 11-9、7-11、11-6、15-17、11-3 パク・スギョン
×張本 8-11、9-11,11-8、11-4、4-11 キム・クムヨン
◯早田 6-11、11-7、11-6、11-8 チャ・スヨン
早田や張本の強打にひるむことなく戦い、バック粒高の鉄壁ブロックと、ドライブ&ミートを的確に使い分けるフォアハンドで日本から2点を奪った北朝鮮の小さなエース、キム・クムヨン(写真は「2025年世界選手権ドーハ大会」時のもの
日本女子は準々決勝で北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と対戦。5試合中4試合がフルゲームとなる死闘を演じた。トップの張本美和はチャ・スヨンの手堅い両ハンドプレーに手を焼くも、最後は振り切って勝利し、先制点をあげる。2番の早田ひなは前回大会のシングルス女王でもあるキム・クムヨンと大接戦。バック粒高の変則左腕・キムは、バックブロックやフォアのミート打ちが冴え、早田はこの試合を2-3で落とした。3番に登場したのは大藤沙月。ゲームカウント2-1とリードし、4ゲーム目も10-7とマッチポイントを握ったが、そこからパク・スギョンの粘り強い反撃に遭い、2-2のタイに戻される。だが、最終ゲームは落ち着きを取り戻した大藤がもつれたゲームを締め、日本は準決勝進出まであと1勝と迫った。
4番は張本が再び登場。早田が敗北を喫したキムとの試合は、5月の世界選手権ドーハ大会3回戦で激闘を演じて以来の再戦。この試合もフルゲームの熱戦となったが、最終ゲームはスタートダッシュに成功したキムに逃げ切られ、決着は最終試合へ委ねられた。
ラストは早田対チャ。第1ゲームは立ち上がりから硬さの見られた早田のミスが相次ぎ、6-11で落とす。しかし、2ゲーム目から早田は身上の強打を捨て、ブロックとループドライブを主体とした粘り強いラリー戦でチャに対抗。決してスマートな戦いぶりではなかったが、泥臭く献身的なプレーで試合をひっくり返し、3-1で勝利してチームの危機を救った。
負ければメダルを逃すというプレッシャーのかかった北朝鮮戦ラストの大一番で、冷静に戦術を転換し、辛抱強く戦って勝利を収めた早田(写真は「WTTチャンピオンズ横浜 2025」時のもの)
男女とも、準決勝(14日)の対戦相手は、13日に行われる残りの準々決勝の試合結果で決まる。男女決勝は15日に予定されている。
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