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前期日本リーグ、男女1部は協和キリンとデンソーがV!

滋賀・彦根のプロシードアリーナHIKONEで開催中の『タクシンスポーツ 前期日本卓球リーグ滋賀大会』は、6月25日に大会最終日を迎え、大会の全日程が終了。混戦の男子1部は協和キリンが優勝、女子1部はデンソーが7戦全勝で優勝を飾った。男女1部の最終順位は下記のとおり(勝敗が同じの場合は団体戦でのスコアの合計・獲得ゲーム数・総得失点で計算)

●男子1部
1位:協和キリン(5勝2敗)
2位:シチズン時計(5勝2敗)
3位:日鉄物流ブレイザーズ(4勝3敗)
4位:日野キングフィッシャーズ(4勝3敗)
5位:クローバー歯科カスピッズ(3勝4敗)
6位:リコー(3勝4敗)
7位:ケアリッツ・アンド・パートナーズ(2勝5敗)
8位:愛知工業大学(2勝5敗)

●女子1部
1位:デンソー(7勝0敗)
2位:中国電力ライシス(5勝2敗)
3位:レゾナック(5勝2敗)
4位:サンリツ(5勝2敗)
5位:愛媛銀行(3勝4敗)
6位:エクセディ(2勝5敗)
7位:神戸松蔭女子学院大学(1勝6敗)
8位:豊田自動織機(0勝7敗)

第3戦を終えて全勝チームがいなくなる、まれに見る混戦となった男子1部は、大会最終日を迎えた時点で協和キリンとシチズン時計が4勝1敗で並走。この時点では団体戦での勝敗数ではシチズン時計がわずかに優位だったが、第6戦で日野キングフィッシャーズを3−0で退けた協和キリンに対し、シチズン時計はリコー戦で3番ダブルスを落とし、3−1での勝利。逆に協和キリンが優勢となった。

協和キリンの渡辺(右)/松山ペア、第6戦の日野キングフィッシャーズ戦を3−0で締める

シチズン時計は第6戦のリコー戦4番で上村が勝利。上村は優秀選手賞を受賞

最終戦では、協和キリンは第6戦で愛知工業大を破って勢いに乗る日鉄住金物流、シチズン時計はクローバー歯科カスピッズとの対戦。優勝の行方は最後までわからなかったが、シチズン時計は前半で酒井明日翔が松下大星、上村慶哉が江藤慧に敗れ、よもやの0−2。ダブルスも一気に押し切られ、0−3で敗れた。この時点で協和キリンの優勝が決まった。

「勝って優勝しないと嫌だよなと思っていた。会社の人もたくさん応援に来てくれていたし、間違いなく勝ちたかったし、あっち(シチズン時計)の試合は度外視でした」と協和キリンの松平賢二監督兼選手。

協和キリンはダブルスが敗れて1−2で後半に回り、ラスト渡辺裕介が定松祐輔を破るも、4番松山祐季が高校・大学の1年後輩である高見真己にゲームオールで惜敗。5勝2敗で大会を終えたが、総合力で2020年後期以来の優勝。MVP(最高殊勲選手)は常に前半で相手チームのエースと対戦し、日鉄物流戦でも藤村友也に逆転勝ちした松平が選ばれ、「監督兼MVP」の名誉を手にした。

最終戦の日鉄物流戦トップで、藤村との大ラリー戦を制した松平賢二。監督兼任ながら今大会のMVPに選出

「今年1月の全日本が終わった後、新入社員の田原(彰悟)には早めに入ってもらって結構厳しく練習してきたし、みんなで合宿に行ったり、ご飯に行ったり、話し合ったりしながらやってきた結果が混戦を乗り越えることにつながった。会社の方々も一体感をもって応援してくれたので、本当にその部分だけの差かなと思います。技術的にはまだまだ全然足りない。どこのチームが優勝してもおかしくないし、今後の課題です」(松平監督)

最終戦では無念の敗戦を喫したものの、総合力で男子1部を制した協和キリン

混戦の男子は、最終日を0勝5敗で迎えたケアリッツ・アンド・パートナーズが2勝を挙げる健闘。横谷晟・篠塚大登・谷垣佑真・鈴木颯という世界代表やインターハイ王者の強力メンバーを揃えた愛知工業大が、同じ2勝5敗ながら8位でまさかの2部降格となった。

ケアリッツ・アンド・パートナーズの新戦力、19年世界代表の吉村和弘は単複で着実に白星を重ねた

一方、女子は大会最終日の第1試合、第6戦で5戦全勝のデンソーとサンリツが激突。まさに優勝を争う天王山となった。前半を1−1で折り返し、ダブルスではサンリツの梅村優香/塩見真希ペア、デンソーの菅澤柚花里/赤江夏星ペアが激しい打撃戦を繰り広げたが、最後に左腕・菅澤が渾身のカウンターを決めたデンソーペアに軍配。デンソーが2−1とリードして後半に突入する。

サンリツのポイントゲッター、永尾尭子は前半で勝ち星を重ねた。デンソー戦でも勝利

サンリツ戦3番で勝利した菅澤/赤江ペアを迎えるデンソーベンチ

デンソーは4番菅澤が出雲美空との左腕対決に敗れたが、ここで大仕事を果たしたのが入社3年目の20歳、小畑美月。左腕・梅村の広角のコース取りに苦しみながら、レシーブや台上からのクレバーなコース取りでゲームカウント2−1とリード。最終ゲーム9−9まで競り合いながらも、最後は鮮やかなレシーブドライブでエースを奪い、チームに勝利をもたらした。

強心臓の20歳、デンソーの小畑美月がラストで値千金の1勝を挙げた

デンソーは勢いそのままに最終戦でも神戸松蔭女子学院大を3−0で破り、7戦全勝で優勝。前身のアスモ時代に2017年前期リーグを制しているが、デンソーとしてはこれが1部初優勝。MVPと新人賞をダブル受賞した赤江夏星をはじめ、若く将来性の高い選手が多く、まだまだ伸びしろはありそうだ。

昨夏のインターハイ女王、赤江夏星は抜群の勝負度胸で勝利を重ねた

4月からチームの監督に就任した田﨑俊雄新監督(五輪3大会出場)は、「野村(萌)キャプテンの新体制がホームマッチからスタートして、そこで良いスタートが切れたので、全体を良い流れで戦えた。まだぼくも4月に就任したばかりで日も浅いので、特別なことをしたわけではない。前監督の西條さんが残してくれたものを引き継いで、選手たちが練習に取り組んできたことが結果に結びついた。本当によくやってくれたなと思います」と語った。

観客席からの声援も追い風となったデンソー、若手のさらなる成長が楽しみだ

最終戦でサンリツを破り、2位となった中国電力ライシスの大型新人・枝廣瞳

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