卓球王国 2024年11月21日 発売
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インタビュー

コーチに雑誌編集、協会理事にゆるキャラまで。すべては惚れ込んだ大阪で、卓球人の笑顔のために

●「卓球で生活させてもらってるんやから、卓球で人と地域に貢献しなさい」

 本業の卓球場も4年ほど前に脇村から店舗を譲り受けてオーナーとなり、『HPC西ナンバ卓球センター』の他にも新たに2店舗をオープン。全日本マスターズで何度も頂点に立った勝英雄や安部香織、日本リーグ・クローバー歯科カスピッズの選手たちもコーチとして招いている。

 実に精力的な活動ぶりだが、そこには自身の性格、そして脇村の教えがあると小寺は言う。

 「『自分の限界が知りたい』みたいな性分もあるし、『やったらいけるかな』みたいな気持ちになってくるんですよ。それでいろいろなことに手を出した結果、収集がつかなくなっただけです(笑)。

 でも一番は『卓球で生活させてもらってるんやから、卓球で人と地域に貢献しなさい』っていう脇村さんの教えが大きいかな。たくさん稼いでいる人はなんぼでもいるけど、その中で自分の利益だけじゃなく、社会に還元している人がどれだけいるかと。自分が稼がせてもらったのなら、どうやって社会や人に還元するかが大事と教えられました。

 卓球ってちゃんとした指導者に習ったほうが上達しやすいじゃないですか。商売も同じで、ちゃんとした人に習ったり、教えてもらったほうが良いと思うんです。そういう意味で、脇村さんに一から十まで商売について教えてもらえたことは幸運だったし、正しい方向に導いてくれたと思ってます。今でも核心を突くようなことを言ってくれますし、ぼくがあれこれやりたいことに挑戦できたのも脇村さんのおかげ。本当に人生の師匠です」

 

●目指すのは「大阪で卓球してたら楽しいわ」

 年々増すばかりの大阪への愛着も、バイタリティあふれる活動の原動力になっている。

 「なんでかわからないけど、こっち(関西)が合うんです。その中でも大阪は人も街も大好きで、すごく合う。大阪の人ってみんなフランクやし、周りの目とか細かいことをあんまり気にしない。人情味があるけどドロドロしてなくてサッパリしてるというか、そういうところが好きですね。住んでるのは大阪の難波ですけど『なんて住みやすいんや』っていつも思います。

 好きだからこそ卓球を通して大阪に貢献したいし、大阪で卓球やってる人らに『大阪で卓球してたら楽しいわ』って思ってもらえるようなことをやりたい。卓球場も、雑誌も、協会も、青年部も、その一助になれば良いなと思ってます。あとはやっぱり、やってて自分が楽しいのもありますね」

 4店舗目のオープンも考えており、それも「店舗が増えたら大変なことも増えるんですけど、店舗が増えれば大阪で卓球ができる場所を増やすことにつながるんで」と大阪の卓球のため。そろそろ自分の子どもにも卓球を教えたいそうで、自身も選手として復帰を考えているのだが、「時間が全然足りない」と笑う。

 いつも思うのだが、小寺の言葉や口ぶりには、こちらまで「何かやったろう!」と思わせてくれる活力がある。それこそが多くの人に求められ、多くの人が力を貸してくれる理由なのだろう。次はどんなアクションを起こすのか、西からの便りが楽しみだ。(文中敬称略)

◆PROFILE

小寺敬太(こでら・けいた)

1984年6月6日生まれ、青森県出身。東奥学園高でインターハイ学校対抗、男子ダブルスでベスト16。立命館大では1年時に関西学生新人準優勝、2年時には秋季関西学生リーグで殊勲賞を受賞。HPC西ナンバ卓球センターでコーチとして指導に当たりながら、編集長として『関西卓球情報誌 TAMA』を刊行。昨年度から大阪卓球協会理事として普及を担当

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