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【アジア競技大会】バックハンド9連発、再び王芸迪との激闘制した早田ひな。日本勢29年ぶりの銀

大会も第10日目を迎えたアジア競技大会・卓球競技。中国の「国慶節(建国記念日)」に当たる10月1日は女子シングルス準決勝・決勝、男子ダブルス準決勝・決勝が行われ、女子シングルス準決勝で早田ひなが王芸迪(中国)にゲームオール12−10で勝利。1994年の第12回広島大会で女子シングルスを制した小山ちれ以来、29年ぶりの決勝進出を果たした。

5月の世界選手権個人戦ダーバン大会・準々決勝での、王芸迪とのゲームオール21−19の大激闘が記憶に新しい早田。今日の準決勝も我慢比べのような長いラリーの連続となったが、ゲームカウント2−3とリードされた6ゲーム目をマッチポイントを奪われながらも15−13でもぎ取る。

最終ゲームは10−9、11−10の2回目のマッチポイントで、3球目からバックハンドをなんと「9連発」。最後はダーバン大会を彷彿とさせるような、王芸迪のフォアサイドを抜けるバックドライブが鮮やかに決まり、決勝進出を決めた。

正確なバック連打で再び王芸迪を沈めた早田ひな(写真は23年アジア選手権/写真:ATTU)

決勝の相手は世界ランキング1位、現・世界女王の孫穎莎。準々決勝でピョン・ソンギョン(北朝鮮)に1ゲームを落としたのみと、余裕を持って決勝に勝ち上がってきた。

5月の世界選手権ダーバン大会では、準決勝で孫穎莎に1−4で敗れた早田。その後もWTT2大会、9月のアジア選手権の女子団体準決勝と女子シングルス準々決勝、さらに今回のアジア競技大会・女子団体決勝でも対戦。スコアは競り合うも、世界女王の壁を超えることはできていなかった。

1ゲーム目から孫穎莎は早田のフォア前にサービスを集め、強烈な3球目攻撃で確実に得点を重ねて11−5で先取。打球点の早さ、コースの厳しさと王芸迪より一段も二段も上の技術力を見せつける。

威力、安定性、そして緩急。さすが世界女王という技術力を見せた孫穎莎(写真は23年世界選手権)

2ゲーム目は早田が打球点の早い攻めで5−0とスタートダッシュをかけ、7−4、9−6とリード。ここでゲームを取り返して1−1に並びたかったが、孫穎莎の攻守は崩れず、5点連取で11−9と逆転されて落とす。試合全体を見れば、この2ゲーム目が勝負の分かれ目だったか。

それでも3ゲーム目はミドルへのボールを起点に、両サイドへの厳しい攻めを見せて12−10でゲームを奪取。4ゲーム目も5−10から8−10まで追い上げて孫穎莎にタイムアウトを取らせるなど、大いに苦しめた。しかし、4ゲーム目は8−11、5ゲーム目も中盤で突き放されて惜しくも1−4で敗れた。

女子団体に続く2枚目の銀メダルを獲得した早田。決勝では完全にアウェーの環境の中でも時折笑顔をのぞかせながら、あらゆる手を尽くして「孫穎莎攻略」に挑む姿が印象的だった。今後に向けて、また貴重な経験を積んだ。

〈女子シングルス〉●準決勝
早田ひな 4、−3、8、−7、−10、13、10 王芸迪(中国)
孫穎莎(中国) 7、8、12、10 申裕斌(韓国)
●決勝 孫穎莎 5、9、−10、8、7 早田ひな

 

男子ダブルスを制した樊振東(右)/王楚欽(中国)(写真は23年世界選手権)

女子シングルス決勝に先駆けて決勝が行われた男子ダブルスは、世界選手権ダーバン大会決勝と同じ対戦カード。世界ランキング1位の樊振東と2位の王楚欽が組んだ、中国男子の最強ペアが優勝した。樊振東はアジア選手権は林高遠、今大会は王楚欽と違うパートナーとのペアで2連勝を飾っている。

〈男子ダブルス〉●準決勝
張禹珍/林鐘勲(韓国) 8、12、−9、7、10 荘智淵/林昀儒(チャイニーズタイペイ)
樊振東/王楚欽(中国) 4、3、3、5 Ni.アラミヤン/No.アラミヤン(イラン)
●決勝 樊振東/王楚欽 6、8、7、3 張禹珍/林鐘勲(韓国)

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