中国・マカオで開催されたワールドカップ。昨夜(20日)、男女シングルスの決勝が行われ、男子はカルデラノ(ブラジル)が初優勝、女子は孫穎莎(中国)が2連覇を達成した。
〈決勝〉
孫穎莎 11-9, 11-6, 11-9, 11-6 蒯曼
先に行われた女子決勝は、準決勝で陳幸同との中国勢対決を4-1で制した孫穎莎と、伊藤美誠との死闘を制した蒯曼が激突。試合の流れを左右するキーポイントとなった1ゲーム目を孫穎莎が接戦の末に11-9で奪取。2ゲーム目以降も、威力抜群のフォアドライブで蒯曼のフォア側を効果的に攻め、3ゲーム連取で一気に勝負を決めた。
勝利後のインタビューで孫穎莎は「今大会の結果にはとても満足している。でも、たくさんの試合を通して、その過程の中で課題も見つかった。帰ってしっかり課題を克服し、世界選手権に向けて準備したい」とコメントした。
一方の蒯曼は、打球点の早いドライブを広角に打ち分け、孫穎莎の強烈なドライブにも前陣で食らいつくなど、技術的な成長が随所に見られた。まだ勝負どころでの決定力に甘さはあるが、ポテンシャルの高さを示した。
フォアを攻めて得点につなげた孫穎莎
蒯曼も粘り強さを武器に、各ゲームで女王を苦しめた
女子シングルス入賞者
〈男子〉●準決勝
カルデラノ(ブラジル) 12、-5、-6、-7、-7、5、10 王楚欽(中国)
林詩棟(中国) -13、4、5、8、7 梁靖崑(中国)
●決勝
カルデラノ -6、7、9、4、5 林詩棟
男子決勝は、準決勝で王楚欽にゲームカウント1-3から逆転勝利を収めたカルデラノと、梁靖崑との中国勢対決を制した世界ランク1位の林詩棟が対戦。
1ゲーム目は、林詩棟が得意のバックドライブを連発して11-6と先取。しかし、2ゲーム目からはカルデラノが徐々に調子を上げて盛り返す。
勝負の分かれ目は1-1で迎えた3ゲーム目だろう。点差がつかないまま9-9まで進んだが、カルデラノが後陣での大きなラリーを制し、ゲームポイントを握る。次のラリーでは、林詩棟のフォアストレートへのチキータを、体勢が崩れた状態から林詩棟のミドルに打ち返す荒技でこのゲームを奪い取った。
4ゲーム目はより厳しいコースを突こうとする林詩棟にミスが続き、カルデラノが連続でゲームを奪うと、5ゲーム目では5-1から5-4まで詰め寄られたが、強靭なバックドライブで主導権を維持し、11-5で勝利。世界三大大会で南米勢としては初の王者となった。
脅威となったカルデラノのバックドライブ
勝利を決め、コートに倒れ込んだカルデラノ。歓喜の瞬間を迎えた
なお、中国選手以外の優勝は、2017年ベルギー大会のオフチャロフ(ドイツ)以来4大会ぶり。準々決勝での張本智和を含む世界ランクトップ3を連破しての優勝は、まさに文句なしの快挙だ。
男子シングルス入賞者。中国男子に笑顔はなかった
写真提供:ITTF
ツイート