サウジアラビア・ジッダで開催されていた『サウジスマッシュ』が昨日(11日)閉幕。サウジスマッシュの男女シングルス初代王者が決定した。
●男子シングルス決勝
王楚欽(中国) 2、7、5、-8、-10、6 フランチスカ(ドイツ)
男子シングルス決勝は、準決勝で林詩棟(中国)との同士討ちをフルゲームで制した王楚欽(中国)が、今大会の台風の目となったフランチスカ(ドイツ)をゲームカウント4-2で退け、サウジスマッシュ初代王者に輝いた。
決勝ではスピード感のあるバックハンドで主導権を握った王楚欽が一気に3ゲームを先制。フランチスカも徐々に王楚欽のスピードに対応して2ゲームを奪い返す。フランチスカの逆転の兆しも見えたが、6ゲーム目はフランチスカのフォアサイドを積極的に攻めて得点を重ねた王楚欽が11-6で勝負を決めた。
また王楚欽は、馬龍(中国)との男子ダブルス、孫穎莎(中国)との混合ダブルスでも優勝しており、今大会三冠を達成。男子シングルス決勝を制した5月11日は王楚欽の24歳の誕生日でもあり、自身のウェイボーで三冠達成について、「是最好的生日礼物(最高の誕生日プレゼント)」とコメントした。
●女子シングルス決勝
陳夢(中国) -6、5、8、9、-6、8 孫穎莎(中国)
一方女子シングルスは、平野美宇、張本美和(ともに木下グループ)、早田ひな(日本生命)と日本選手を連破した陳夢(中国)が、2022年のシンガポールスマッシュ以来となる、グランドスマッシュ2度目のタイトルを手にした。
決勝は「ここ2年ぐらい勝てていなかった」という孫穎莎に1ゲーム目を奪われるも、準決勝の早田戦でも光っていた前陣でのカウンターやコース転換が要所で決まり、一気に3ゲームを先取。
5ゲーム目を落とすも陳夢の勢いが弱まることはなく、6ゲーム目は中盤でラッキーなポイントも重なり、最後は10-5リードからじわじわと追い上げる孫穎莎を振り切って11-8で勝利。陳夢は王曼昱(中国)との女子ダブルスでも優勝し、今大会二冠に輝いた。
また優勝インタビューでは、決勝での勝利の要因を聞かれた際、観客から「擦边!(エッジ)」と野次が飛ぶ場面も。
これに対し陳夢は、「今日勝利できた要因はエッジだとたくさんの観客が言っていますが、確かに私は今日とてもツイていると思います。競技種目において、勝敗がつくことは当たり前なこと。卓球ファンが正しく試合を見てくれることを望んでいます」と冷静にコメントした。
また日本選手では、男子ダブルスで戸上隼輔/篠塚大登(井村屋グループ/愛知工業大)が準優勝。馬龍/王楚欽との決勝はストレートで敗れたものの、各ゲームで互角のラリー戦を展開した。
また女子シングルスでは、早田がシングルス日本勢最高成績のベスト4。準決勝の陳夢戦では、3ゲーム目を5-0と大きくリードするも、フォア・ミドルをうまく突かれ、ラリー戦でなかなか主導権を握れず、ゲームカウント0-4で敗戦となった。
写真提供:WTT
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