9月25日から10月5日にかけて、中国・北京で開催された「中国スマッシュ」。大会最終日の5日には、男子シングルス準決勝・決勝、女子シングルス決勝が行われ、男子は王楚欽(中国)、女子は王曼昱(中国)が優勝した。
〈男子シングルス〉●準決勝
王楚欽(中国) -9、-6、8、-8、3、8、9 向鵬(中国)
F.ルブラン(フランス) 5、-7、-6、9、6、6 林詩棟(中国)
●決勝
王楚欽 7、2、5、7 F.ルブラン
王楚欽は準々決勝で松島輝空(木下グループ)との左腕対決を4-1で制し、準決勝では向鵬(中国)にゲームカウント1-3から逆転勝利。最終ゲームも2-6から逆転する粘り強い戦いぶりを見せた。
決勝では、準決勝で林詩棟を破ったF.ルブランとの対戦。前回対戦では4-3の接戦だったが、今回は3球目、4球目までの早い展開で両ハンドドライブが炸裂した王楚欽が4-0で快勝。前陣でのプレーに徹し、サービスからの3球目攻撃でほとんど大きなラリーを許さず試合を制した。
王楚欽は孫穎莎(中国)との混合ダブルス、林詩棟との男子ダブルスで優勝し、2024年サウジスマッシュ以来、WTTグランドスマッシュ三冠を達成。試合後には「全体を通して本当に苦しく、毎日がマラソンのようだった」と振り返った。
三冠を達成した王楚欽。決勝での戦いぶりは圧巻だった
準優勝のF.ルブラン
〈女子シングルス〉●決勝
王曼昱 -10、7、9、5、-8、2 孫穎莎
王曼昱は直近のヨーロッパスマッシュ、WTTチャンピオンズマカオの決勝で敗れたライバル孫穎莎を4-2で破り、優勝。通常のフォアサービスからバックサービスに切り替え、台中央からの配球で両ハンドへの連係をスムーズにし、ラリーを優位に進めた。5ゲーム目は孫穎莎に奪われたが、6ゲーム目は11-2で圧倒し、勝負を決めた。
バックサービスからラリーを優位に展開した王曼昱
また、王曼昱は女子ダブルスでも蒯曼(中国)とのペアで優勝し、今大会二冠を達成。中国のSNS・ウェイボーで「毎回コートに立つたびに敬意の気持ちを持っている。試合後のインタビューでも話した通り、莎莎(シャシャ/孫穎莎)には本当に感謝している。彼女との対戦からは毎回多くのことを学べる。そして、ダブルスパートナーの蒯曼にも感謝している。彼女と一緒に戦い、今回も女子ダブルスで優勝をつかむことができた。彼女たちのおかげで自分自身もさらに成長することができました」とコメントした。
日本選手では、女子ダブルスでは早田ひな(日本生命)が朱芊曦(韓国)との国際ペアで準優勝。シングルスでは男女ともベスト8が最高成績となった。
男子では、松島輝空(木下グループ)が世界卓球3位の梁靖崑(中国)を破り、宇田幸矢(協和キリン)もパリ五輪銀メダリストのモーレゴード(スウェーデン)を撃破するなど、入賞ならずとも大きなインパクトを残した。また、予選から勝ち上がった濵田一輝(早稲田大)もフルゲームにもつれ込む接戦を何度も制し、WTT最高峰の舞台で力を余すことなく発揮。自信を深める大会となった。
女子シングルスでは大藤沙月(ミキハウス)と伊藤美誠(スターツ)以外は全員中国勢に敗れ、中国の層の厚さを改めて実感する結果となった。
なお、各種目入賞者は下記のとおり
〈男子シングルス〉
優勝:王楚欽(中国)
準優勝:F.ルブラン(フランス)
3位:林詩棟、向鵬(ともに中国)
〈女子シングルス〉
優勝:王曼昱(中国)
準優勝:孫穎莎(中国)
3位:陳幸同(中国)、申裕斌(韓国)
〈男子ダブルス〉
優勝:王楚欽/林詩棟(中国)
準優勝:周啓豪/陳俊菘(中国)
3位:松島輝空/戸上隼輔(木下グループ/井村屋グループ)、黄友政/温瑞博(中国)
〈女子ダブルス〉
優勝:王曼昱/蒯曼(中国)
準優勝:早田ひな/朱芊曦(日本生命/韓国)
3位:王暁彤/徐奕、陳幸同/銭天一(ともに中国)
〈混合ダブルス〉
優勝:王楚欽/孫穎莎(中国)
準優勝:黄友政/陳熠(中国)
3位:袁励岑/王芸迪(中国)、カルデラノ/B.タカハシ(ブラジル)
写真提供:WTT
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