昨日(15日)に閉幕したWTTチャンピオンズ マカオ。昨夜、男女シングルスの決勝が行われ、男子は林詩棟、女子は孫穎莎とともに中国勢が頂点に立った。
先に行われた女子決勝は、準決勝で張本美和(木下グループ)との激闘を制して勝ち上がった孫穎莎(中国)と、決勝まで1ゲームも落とさない完璧な内容で勝ち上がった王芸迪(中国)との同士討ちとなった。
序盤からバック対バックの激しい打ち合いとなり、互いに1ゲームずつ奪い合う展開が続く。しかし、ゲームカウント2−2で迎えた5ゲーム目、バックハンドで一層スピードを上げた孫穎莎がバッククロスの攻防で優位に立ち、積極的に王芸迪のフォアサイドを鋭く突いて得点を重ね、2ゲーム連取で一気に勝利を決めた。
「パリ五輪が終わってから、特別な練習はしていませんでした。この大会を通して、自分の感覚が戻ってくるのは意外に早かったなと感じています。新たな周期がスタートします。今はロス五輪を考えるにはまだ早い。あと4年間、とても長いです。でも新たな周期に向けたいいスタートが切れたと思います。また努力していきます」(孫穎莎)
一方男子は、先月行われたWTTコンテンダーアルマトイで三冠を果たした林詩棟が今大会でも好調をキープし、張本智和(智和企画)、林昀儒(チャイニーズタイペイ)、王楚欽(中国)とアジアのトップを連破して決勝に進出。
決勝では、梁靖昆(中国)に0−2から逆転勝利して波に乗り、準決勝で高承睿(チャイニーズタイペイ)の快進撃を止めたチウ・ダン(ドイツ)と対戦。接戦も予想されたが、前・中・後陣とコートのどこからでも威力あふれる充実した両ハンドを放った林詩棟が終始試合を優位に展開し、4-0で完勝。初のWTTチャンピオンズのタイトルを獲得した。
「WTT シリーズの中で、チャンピオンズでの優勝は初めてなのでとてもうれしいです。チウ・ダンとは以前に2度対戦したことがあり、比較的よく知っている選手ではありました。彼はヨーロッパの中でも実力の高い選手の一人であり、これまでたくさんの中国選手に勝利している。決勝前はかなり準備をしたし、試合の中でのパフォーマンスも良かった」(林詩棟)
また日本選手では、準々決勝で陳幸同(中国)を破った張本美和が3位入賞。準決勝の孫穎莎戦は、1ゲーム目を10−7、2ゲーム目を10−8と、先にゲームポイントを握りながらもあと一点が遠く、逆転を許す。しかし張本は、女王の勝負強さに心折れることなく、ラリーで必死に食らいつき1ゲームを奪い返すと、4ゲーム目には9−10から逆転勝利でタイに戻した。
5ゲーム目以降は孫穎莎も一段ギアを上げ、前半で点差を離され、6ゲーム目は8−8から3点連続得点を許し、最終的には2−4で敗れた。試合には敗れたものの、孫穎莎のフォアサイド鋭く突き、高速ラリーではミドルへのボールを何本でも柔軟に打ち返すなど、確かな成長を見せた張本美和。「美和の3、4ゲーム目のボール処理は自分の想像より遥かに良かった。彼女はとても堅固で、自分の返球が悪かったわけではない。彼女のバックハンドの質と打球点の変化は、確かにとても脅威だった」と世界女王に言わしめた。
写真提供:WTT
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