●女子シングルス決勝
孫穎莎(中国) 10、6、−8、5、−6、7 王芸迪(中国)
女子シングルス優勝は現・世界女王の孫穎莎。21年シンガポール大会、22年新郷(中国)大会に続き、WTT女子ファイナルズのスタートから3連覇の偉業を達成!
会場のビジョンに映し出された両選手の対戦成績は、孫穎莎の5勝4敗と互角に近い内容。バック対バックを中心に、ハイレベルなラリーが次々に展開される。緩急とサイドを切るコース取りを見せる孫穎莎のバックハンドに対し、王芸迪のバックハンドは打球点が早く、台上で弾き打つのもうまい。
フォアハンドの威力は中国女子でも双璧の両選手だが、簡単には回り込めない。互いに厳しくバック、ミドルを突きながら、チャンスボールだけフォアに勝負をかける。
ゲームカウント0−2の3ゲーム目、出足からリードを広げた王芸迪が10−5でゲームポイント。10−8まで挽回されて王芸迪がタイムアウト。試合の終盤まで取っておきたかったタイムアウトだったかもしれない。
この3ゲーム目を王芸迪が11−8で奪い、4ゲーム目は孫穎莎、5ゲーム目は王芸迪が大きくリードして取り合ったが、6ゲーム目は孫穎莎が4−1からリードを保ち、王芸迪は流れを変えられず。最後は11−7で孫穎莎が勝利を収めた。
試合を通じて印象的だったのは両選手のサービス。ともに低く速いロングサービスを混ぜながら、体全体を使ったスイングで強烈なフォアサービスを繰り出す。まさに「パワーサービス」の応酬だ。
5月の世界選手権個人戦で世界女王となり、年内最後のビッグゲームであるWTT女子ファイナルズでも優勝した孫穎莎。「今日の決勝はチームメイトなのでよく知っている相手。質の高い試合を皆さんに見せることができた。2023年はとても良い年だったので、2024年がもっと良い年になるよう、またゼロから頑張ります」と優勝インタビューでコメントした。
孫穎莎にとって2024年最大のビッグイベントが、夏のパリ五輪であることは言うまでもないだろう。パリの頂きに、彼女は最も近いところにいる。
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